沖 田 と 土 方 【沖田総悟】

先に進んでいくな。 ページ41

Okita side



総 『あ、ブタ発見。』

『…ちょっと！誰がブタよ！』



今日も元気に働いているブタ発見。



…何でィ、アイツ。

髪の毛をクルクルにして、

ポニーテールにまでしやがって。



何？イヤリングも付けてやがらァ。



総 『豚に真珠でさァ』

『あ！ちょ！引っ張らないで！』



イヤリングを

アイツの耳から取ろうとすれば、

いつもの揉め合いになる。



俺の顔の方に飛んできた

アイツの手首を掴むと…


あ、れ、？


コイツ…

腕、

こんなに細かったっけ…？



『隙あり！』

総 『…あ、テメェ、、！』



俺の手の中にあったイヤリングは

アイツの耳に帰っていった。



『総悟に勝った〜』

総 『俺がわざと手を抜いたんでさァ』

『言い訳は結構でーす』



…アイツ、全体的に細くなってね？

お洒落もするようになったし。

…恋、でもしてんのか？



総 『なぁ、A、』

『ん？』

総 『……やめろ、それ。』

『…それ？』



…やめるんでィ、


髪の毛クルクルも、

イヤリングを付けんのも、

化粧に手を入れるようになったのも、

細くなっていくのも、



…お前は大人になんかならなくていい。

“そーご、そーご！”って言って、

俺の後ろを付いてくればいい。

先に先にへ進んでいくな。



『総悟変なの、』

総 『変なのはそっちでさァ』



チューイングガムを膨らませ、

イヤホンを耳に付け、

廊下を歩く俺は…



…全然大人なんかじゃねェや。




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