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俺の肩に持たれて眠るコイツは
一体Aで合ってるんだろうか。
見たときは一瞬誰だか分からなかった。
大人びた化粧をして、
大人びた服を来て。
爪までキラキラしてた。
フワッと香る匂いは、
女の匂い、だった。
「ったく、みんな馬鹿だねィ」
武州の女は馬鹿でいけねェや。
土方コノヤローのどこに惚れるってんでィ
姉上は除いての話だが。
Aも散々泣かされてきたのを知ってる。
“ クソ餓鬼、クソ餓鬼 ”
そう言うくせに、
なんだかんだ助けてやって、
なんだかんだ守ってやって、
そうするから、
この馬鹿も勘違いしてしまうんでィ。
ま。
コイツに一切興味のない俺は、
2人のやり取りを見てて結構面白いんだが。
意外と土方が振り回されてるってやつ?
Aと屯所で会ったときも
“ …何しに来たんだよ ”
そう冷たく素っ気なく言ってたけど、
結構動揺してていい気味でさァ(笑)
『…ト、シ、、』
鬼を哭かせるために江戸に来た
って言うコイツも
つくづく馬鹿だなぁと感じる。
結局は泣かされに来てんじゃねーか。
.
.
.
「…何してんだ、お前ら」
「あれれ?土方さんじゃねェか」
「近藤さんはコイツを送れ、と言ったよな」
「テメーは始末書残ってんだぞ」
Aが寝たことにより行き場を失った俺は
風船ガムを噛みながら夜を過ごすつもりだったのに
土方コノヤローに見つかった。
「さっさとコイツを送って来い」
「へいへい、送りました〜」
「うぉぃ!総悟!テメー!!」
「俺ァ仕事全うしたんで帰りまさァ」
土方の腕を引き、
俺のいた場所と変わる。
全ては土方、
テメーが招いたことなんだよ。
俺に押し付けてくんな。
俺は見てるのが楽しいんでさァ。
「どういうことだ!おい!総悟!」
「事情はAに聞いてくだせェ」
耳にイヤホンを装着し、
俺は公園を後にする。
鬼だ、
鬼だ、
そう言われてるけど、
あいつの前では、
ただの少年でさァ。
いや、
ケツの青い餓 “ 鬼 ” でさァ。
あー。
帰って風呂でも入って
さっさと寝よ。
.
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結音(プロフ) - 早く続きみたいです! (2020年8月31日 22時) (レス) id: 7ba217637d (このIDを非表示/違反報告)
愛望(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!!続き気になります!頑張ってください! (2020年8月16日 22時) (レス) id: 30b22dab9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あー | 作成日時:2020年8月4日 22時