こじらせふたり ページ15
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「ちゃんと保護者の了解は得たのかよ」
『うん、大丈夫だよ』
「お前んとこの保護者はゆるゆるだな」
「キャバクラで働かせてんのか?」
万事屋からすまいるへの行き方が分からなくて
銀ちゃんに送ってもらう。
なんだかんだで付き合ってくれるとこ、
好きだな。
『銀ちゃんが保護者だったら』
『どうするの?』
ふと気になったから聞いてみた。
「あ?こんな可愛い子は大切に部屋に入れとくよ」
「俺だけのものにするね」
『なんか気持ち悪い。』
「は?お前が聞いてきたんだろ?」
まあ、口ではそう言っているけど…
銀ちゃんは大事にするんだろうな。
内心、そう思う。
「真選組もよく許したよな」
「絶対ェ反対だと思ったけどよ」
『…別に私のことは何とも思っていないんですよ』
家族でもなければ、
共に剣を振る仲間でもない。
家族に追いやられた可哀想な少女、
私はそういう子なんだよ。
「お前、何で江戸に来たんだよ」
『…聞きたい?』
「まあ、無理にとは言わねーけどよ。」
『鬼の泣き顔を見たいから』
_ 私が鬼を哭かせたいの。
「お前、可愛い顔して中身凄いんだな」
『銀ちゃんも哭かせてあげようか?』
「俺ァお前相手に哭かねェよ」
うわ、今の銀ちゃん…
鬼にそっくり。
重なって見えたよ。
でもよ、
と銀ちゃんが私に向かって言う。
「アイツはお前をそんな風に思ってねェよ」
「長年アイツらとも色々やってるけどよ」
「そういう奴らじゃねェことは確かだぜ」
分かってる。
分かってるんだよ、そんなこと。
近藤さん、
総悟、
トシ。
武州の頃からずっとお世話してくれた。
面倒見て、ずっと気にかけてくれた。
トシがああいう態度を取る理由も分かる。
全部全部、
私を思ってくれているからこそ…
ていうのも分かる。
だけど、
なんか癪じゃないか。
私ばっかやられてる、っていうの。
なんか嫌なんだもん。
こんなことしている私は、
ほんとまだまだ餓鬼だよ。
「帰りはどうしましょーか、お嬢さん」
『…お願いしてもいいですか?』
「報酬はきっちり頂くぜ?」
銀ちゃんに送り届けてもらい、
私はすまいるの中に入って行く。
ほんと、
銀ちゃんって、
トシとそっくりだよね。
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結音(プロフ) - 早く続きみたいです! (2020年8月31日 22時) (レス) id: 7ba217637d (このIDを非表示/違反報告)
愛望(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!!続き気になります!頑張ってください! (2020年8月16日 22時) (レス) id: 30b22dab9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あー | 作成日時:2020年8月4日 22時