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▲05▽ ページ7

「つ、疲れた……!」

「あはは、随分疲れた顔ねぇA」


今日の午後はオフだったため、そのまま真っ直ぐ帰宅した。

いつもならいない時間にお母さんがいて、声を出して驚くと共に
今日は早く終わるとか言ってたな、と腑に落ちた。

私のげんなりとした顔が面白かったのか、キッチンで夕食を作りながら
げらげらと笑うお母さん。

ほんの少しカチンときたが、最近よく笑うお母さんを見て微笑ましくなった。


「今日の夜ご飯は?」

「Aの好きなオムライスだよー」

「やったー! 制服着替えたら手伝うね」

「うん。ありがとう」


お母さんの笑顔をしっかりと見て、リビングを後にした。


***


パタンッ

自分の部屋の扉を閉めてから、ベッドにダイブした。

制服のまま転がったから、服が皺だらけになってしまうな。

そんなことも頭の片隅に放り投げ、両腕で視界を遮り、ゆっくり深呼吸する。


「疲れたぁ〜」


腹の奥から疲れを取り出し、少し体が軽くなった。

このまま寝てしまおうかとも思ったが、今は制服姿。

それに、お母さんに手伝いに行くと約束してしまった。

─────約束してしまったからには、守らねば。

鉛の様に重い体を無理やり起こし、制服から私服に着替えた。


***


「お母さん。卵焼いちゃうよ?」

「うん。お願い」


卵を溶き終え、熱々のフライパンに流し込む。

ジュワァ…と食欲をそそる音がすれば、完璧だ。

隣をちらりと見ると、お母さんは真剣に野菜の型抜きをしていた。


「……お母さん」

「ん? なぁに?」

「最近、笑う様になったね」

「え!? あ、そ、そうかしら……?」


型抜きをしている手を止め、頬を赤らめるお母さん。

これは、もしや……。


「お母さん。私は反対なんかしないよ、“再婚”」

「……っでも__」

「お母さんが、本っ当にその人でいいと思ったなら、いいと思うよ」

「A……。ありがとう……!」


瞳に涙を浮かべながら微笑むお母さん。

実は幼い頃、両親が離婚したのだ。

勿論、私はお母さんについて行った。

あの状態でお父さんなんか選んだら、私は一生不幸者だと思う。

2番目のお父さん、か……。


お母さんを独り占めできないから、本当は反対だけど。

でも、お母さんが笑っていてくれるのなら、私は大賛成。

お母さんの心地よい鼻歌に耳を傾けながら、ゆっくり手を動かした。

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れむ(プロフ) - 桜月さん» 素敵なお言葉、ありがとうございます…!! 全力で頑張ります!୧(⑉•̀ㅁ•́⑉)૭✧ ‎ (2022年6月11日 13時) (レス) id: d99c936a62 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - すごく面白かったです!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってくださいッッ(*゚∀゚) (2022年6月11日 11時) (レス) @page5 id: 5b22c7453f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れむ | 作成日時:2022年6月9日 20時

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