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「お疲れ様、A」
「っあ……ありがとうございます、相川さん!」
肩で息をしながら、マネージャーさんこと相川さんからスポドリとタオルを受け取った。
じわり、とこめかみから汗が伝う。
いつもなら鬱陶しく思うが、この汗はみんなを喜ばせられた証拠、
そう思うと自然と口角が上がる。
ライブの余韻が残る中、スマホを起動する。
SNSを見ると、早速『なぁふ ライブ』というタグがトレンド入りしていた。
「ふふっ」
「何かいいことでもあったー?」
思わず頬を緩めていると、相川さんは小道具の入った段ボールを持ちながら
こちらに近づいてきた。
「うん! ほら見て。トレンド入りしてるの!」
「わぁ! 良かったじゃないA〜!」
わしゃわしゃと頭を撫でられると、より一層頬が緩むのが分かる。
もう一度スマホへ向き直り、タグを押すと沢山のツイートが表示された。
《なぁふちゃん今日も可愛かったー!》
《なぁふちゃんお疲れ様っ! ゆっくり休んでね〜》
《こんなに可愛い天使他にいない》
《振り付けちょっと間違えちゃったところもちょー可愛かったよー!》
ニコニコ笑顔の絵文字がついた嬉しい言葉を見ると、体が、心が幸せでいっぱいになる。
ライブが終わるといつも思う。
____「あぁ。アイドルをやっていて良かった」って。
誰かに笑顔を、幸せを届けられることに喜びを覚えたのは初めてだ。
その時、誰かに名前を呼ばれた。
「Aちゃん。ちょっといいかな?」
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れむ(プロフ) - 桜月さん» 素敵なお言葉、ありがとうございます…!! 全力で頑張ります!୧(⑉•̀ㅁ•́⑉)૭✧ (2022年6月11日 13時) (レス) id: d99c936a62 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - すごく面白かったです!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってくださいッッ(*゚∀゚) (2022年6月11日 11時) (レス) @page5 id: 5b22c7453f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れむ | 作成日時:2022年6月9日 20時