白い夢 / ま ふ ま ふ 【男主】

白い夢 24 ページ29

Aside

【〜！！】

『ごめんなさい…』

【お前なんか…死んじまえ…】

『ｯ…』

黒い、人の形をした何かが フライパンみたいな物を掴む

その瞬間

ガンッと頭を殴られる

『ｯﾊ…ﾊｰ…う…』

その瞬間に目が覚める

真冬さんが隣で寝ている

『……はー…ぁ…』

トラウマみたいに 頭をずっとループする

人の形も留めてないのに、

うるさい声

鈍い音

『いてて…』

頭がズキズキと痛む

ほんとに殴られた訳じゃないのに…

「A…？」

眠そうな声で抱き締められる

『……』

暖かくて、いい匂いがする

真冬さんこんなに隈濃かったっけ？

作業頑張ってたのかな

せっかくだから、朝食を作ろうと

真冬さんの腕から抜けて リビングに行く

『え、なにこれ』

机の上に大量の書類

『真冬さんも大変なんだな……』

束にまとめる

『…養子縁組？』

意味はよく分からないけど、多分、僕関係だ

目の隈が酷かったのも、僕のせいかな……

『……』

「にゃーん」

『あ、餌』

机の端にまとめて 猫の餌皿を取る

『……僕も勉強したいなぁ』

「みゃー」

ガツガツと餌を食べてる

真冬さんは当分起きなさそうだし

寝かせてあげておきたい

『……暇だなぁ』

______________________________________

まふまふside

ﾌﾞｰｯ ﾌﾞｰｯ

「んー…」

ﾌﾞｰｯ ﾌﾞｰｯ

「うるさ…」

スマホを取ってアラームを止める

寝過ぎないようにかけたつもりなのに

もう14時過ぎ

「ふぁー…最近規則正しかったのにぃ」

髪を手ぐしで整えながら 顔を洗いに行く

物音がしないけど、A居るよね？…

リビングからなんの音もしない

テレビの音も、足音もしない

もしかして……なんて震えながらドアを開ける

『……』

ソファーの上でぽてと達と丸まって寝ている

「よかった…」

安心しながら 喉が渇いたから冷蔵庫を開ける

【起きてからお腹すいたらチンしてくださいね】

綺麗に巻かれた卵焼きと鮭と小松菜和えみたいなの

嫁かよ(嬉しい)

お腹空いたし 食べよ

Aはだいぶ熟睡してるみたい

レンジで温めている間暇だし

遊んでみよう

「A〜」

『……』

名前では起きないか

「ふぅー…」

『うっ(ﾋﾟｸｯ)…』

耳は弱いの可愛いなぁ

そろそろ可哀想だから勘弁してやろう(レンジが鳴った)


「美味しそう…」

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