９話 ページ10
「Aちゃんは今までに何人愛したの？」
「お兄様と崇峻天皇陛下、この二人だけよ」
その言葉には壁すらも感じる。
「だって、いくら愛したところでみんな私が看取らなくてはいけないのよ？…………そんなの、愛さないほうがいいでしょう？」
愛する人だろうが、なんだろうが、1400年以上の時を生きる彼女にとってその人たちの一生なんて10分の１にも満たない。
「大切な命？……そうね、死んだら終わりな命は大切よね。私みたいな不死の化け物の命は軽いわよ？すぐに元通りに生かしてくれる」
「…………」
自分の命を軽いなんて言わないでくれ。そう言いたかった。けれど、逆に自分が1400年も生きていたらどうだろうか？
生きたいなんて、思えないと思う。
「死は怖いものじゃないわ。救済よ」
「……大丈夫、私が必ずAちゃんを看取るから」
「ほんと？約束してくれる？」
「ああ、絶対に。約束しよう」
指切りげんまん。
私たちの約束。
１つめは馬子とやらへの復讐。
２つめは心中。
３つめは彼女の死を私が看取ること。
……つまり、矛盾している。
２つめが成功したら、３つめの看取ることはできなくなる。
看取ることができるということは、私は死ねなかったということだ。
守られるのは果たしてどちらの約束なのかな。
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アルト@(プロフ) - 緩奈さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年2月8日 17時) (
レス) id: 3bd084aa64 (このIDを非表示/違反報告)
緩奈 - 凄く面白いです！続き楽しみに待ってます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: 9261dd0ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルト＠ポケモンlove | 作成日時：2017年2月6日 18時
