7話 ページ8
「不老不死っていうのは、今まで人が築いてきた歴史を覆すようなものだ。歴史を正すにあたってあってはならないのだよ。神なら、排除するとは思わないかい?」
笑顔だけれど、これは冗談とはまた違うのだろう。けれど、
「ふふ、なにそれ、お伽噺の世界だわ」
「やっと笑ってくれたね」
「……え?」
おかしくて、笑ってしまった私に彼はそう告げる。
「君の笑顔は悲しいなと思っていたけれど、いまの笑顔は素敵だと思ったよ」
「よ、よく分からないわ……」
悲しい?私の笑顔が?
「ねぇ、1000年以上も生きるってどんな感じなの?人ってさ、長く生きれば生きるほど汚れていくって言われるけれど、それは80年とかそこらの話であって、200年や500年単位も生きるとなると、どういう感情が沸いてくるの?」
とても興味があるのだけれど。太宰は身を乗り出して聞く。
少し驚いたようにしていた彼女は一呼吸おいて、一言呟いた。
「……私、いくつに見える?」
「…………へ?……あー……うーん…………15歳くらいかな?いや、16?私と同い年くらいに見えるから、16歳かな」
「はずれ」
静かにAは言った。
「19歳のときから私、成長も老化もしてないの」
どうやら私の3つ上だったらしい。
「見た目だけはね。本当の年齢なら……いくつになっちゃうのかしらね?」
「さあ……私には分かりかねるよ」
紅茶を一口飲み、彼女は真剣な顔になる。
「ああそれで、どんな感覚か、よね」
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アルト@(プロフ) - 緩奈さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年2月8日 17時) (レス) id: 3bd084aa64 (このIDを非表示/違反報告)
緩奈 - 凄く面白いです!続き楽しみに待ってます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: 9261dd0ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルト@ポケモンlove | 作成日時:2017年2月6日 18時