124 ページ25
♡♡♡
あー家に帰りたくなってきた。ひとり暮らしってこんな感じなのかな。
『うそだよ、忘れるわけないじゃん』
ネタばらしすると涙声が聞こえた。30代後半がなにやってんだか。
今度はママがスマホを奪って話した。
｢今ね、おじいちゃんとおばあちゃんが家に来てるの！｣
『まじで！？ちょ、ビデ通！』
大好きなじいちゃんとばあちゃんの顔と声をはやく見たいし聞きたくて慌ててビデ通にする。
画面の向こうには元気そうなじいちゃんとばあちゃん。手を振ってる。かわいい。
『久しぶりだね！！！元気〜？？』
｢元気いっぱいだよ。学校は楽しい？友達はできたかい？｣
『うん！今度写真あげるね！！』
｢はいはい、楽しみにしてるよ｣
ふとワールドカップのことを思い出した。
魔法界って危険なこといっぱいあるからみんなを守れないとだめだよね。
私いざってとき呪文浮かばないから役立たずすぎるんだよね。そんなのは絶対やだからな…。
よし、じゃあこうするしかない！！！
『じいちゃん、お願いがあるんだけど…』
｢なんだい？｣
『あのね、私にまた護身術を教えてほしいの』
実は私のじいちゃんは合気道を独学で覚えた漫画の主人公みたいな人です。
私が小学生でいじめられたときにいじめっ子に負けたくなくて護身術を軽く教えてもらった。
だけど全然出番ないから多分体訛ってるし覚えてない。ただ老化しただけ。
私が言った言葉にじいちゃんは驚いてたけど、悪い笑みを浮かべて言った。
｢じいちゃんの指導は厳しいぞー。それでもいいのかい？｣
『お手柔らかにお願いします』
｢言うと思ったよ。それじゃ、いつがいい？｣
休暇がない限り会えないし、でも休暇はみんなと過ごしたいし、んー……あ、リモートでやる？
あそれいいじゃん。リモート。直接会ってやったほうがいいのかもしれないけど。
『会える時間少ないからリモートでいい？？』
｢問題無いよ。その代わり正確には学べないけど、それでもいいなら…｣
『全然いい！！大歓迎！』
よっしゃ、契約成功。でもまたスパルタじいちゃん見なきゃいけないのか〜。
豆腐メンタルの私には辛いんだよな、あれ。
でもそんくらいじいちゃんも真剣ってことなんだし、私も向き合わなきゃね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 190人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちるあ | 作成日時：2022年12月28日 0時
