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きっと私の顔は今にも爆発しそうなくらい真っ赤だろう。だって目の前に好きな人がいるのだから。
『ねえやばい、あっちにいっていい？』
｢駄目に決まってるじゃない｣
ちぇ、この距離なら飛び越えられるのに。
ふとドラコと目が合ったと思ったらすぐ逸らされて、ズキッと心が痛んだ。
あり、なんか逸らされたんだけど。もしかしてお父さんがいるからなのかな。
｢僕らは魔法省の貴賓席さ。コーネリウス・ファッジ大臣直々のご招待でね｣
｢自慢するなドラコ。相手にする価値はない｣
杖でお腹を突かれて嫌そうな顔をするドラコになぜかきゅんとする。
どんな姿でもかっこいい。スーツ似合いすぎ。もうほんと会えてよかった。大好き。
私の気持ちと真逆のみんなは早くここから離れようとうんざりした顔で階段に上る。
えぇ、もういっちゃうの？あとちょっとだけでもいいからドラコといさせてよ。
そんなことを思いながら後ろを振り返ると同じタイミングでドラコも後ろを向いて目が合った。
みんなに気付かれないように手を振ると、ふっ と鼻で笑われた。その態度とは裏腹に耳が真っ赤だった。
ドラコはものすごく魅力的で知れば知るほど好きになる。そう思ってるのはきっと私だけ。
でも私だけでいい。これ以上ドラコを好きになる人がでてこないでほしい。
片思いの分際で独占欲なんていいご身分だな、と自嘲しながらみんなについていった。
頂上にいくとものすごく高い分、景色は綺麗だった。白、赤、緑の風船が浮かんでいく。
すると後ろからびゅんっとなにかが通った。箒に乗って緑と白の煙を出しながらアイルランドチームがやってきた。人型の花火が踊っている。それを破ってやってきたのはブルガリアチーム。
｢あれ誰？！｣
｢あれが世界最高のシーカーだよ！｣
魔法界ってほんとすごい。興奮で体が震えてる。アドレナリンやばい。
｢るあ、目が輝いてるよ｣
『だってこれだけで楽しいんだもん…！！』
この状況から目が離せない。隣にいるセドリックがくすっと笑った。
｢興奮しすぎて飛び降りないでね｣
『はっ！？そんなのしないし！ドラコがいるなら別だけど』
そういう私にハーマイオニーが呆れて笑った。
｢ようこそ皆様！ここに魔法大臣として大いなる喜びを持って、皆様に歓迎のご挨拶をさせて頂きます。第422回、クィディッチ・ワールドカップ決勝戦です。それでは試合開始！｣
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作者名：ちるあ | 作成日時：2022年12月28日 0時
