◆負け犬のように吠える ページ9
噴水を背に、相変わらずいけ好かない顔をした正義のヒーロー様の姿。
いつもにこにこした笑顔を貼っつけて本当に気に入らない……。誰にでも優しくだとか反吐が出る、だからいつもこっそり嫌がらせをしてやるのだ。
ちなみに今は偽物のラブレターで広場の噴水に呼び出して、その様子を木の影からこっそり観察しているところだ。ざまあみろ。
……やることが小さいのは決してアイツの仕返しにビビってるからじゃないとここに明言しておこう。
そんなこんなで1時間が経過した。その間ずっと立ちっぱなし。
バチりとヒーロー様と目が合う。気のせいか? と思っていたが、違うらしい。こちらに近づいて来るではないか。思わず逃げようと反対を向く。
ダンッと顔の頬を彼の腕が掠める。目の前にはブロンズの髪をした憎きヒーロー様が居た。
どんだけ足が早いんだ。それもヒーロー故か?
と聞こうとして、口になにか柔らかいぬくぬくとしたものが押し付けられる。
それが彼の唇であることはすぐにわかった。角度を変えて何度も何度も押し付けたり吸われたり。息継ぎをしようとする度に、ふ、と息が漏れる。
一瞬だけその唇が離れて、今度は深く。
口の中を奴の舌が翻弄する。その舌から逃げれば逃げるほど唾液の音が混ざる。上顎に舌が当たるとゾワゾワとして、思わぬ声が漏れた。
その声を聞きたくなくて、逃げようともがくがコイツの腕と木のせいでそれは叶わなかった。
なんとか快感を逃そうとした手が木をカリリと虚しく引っ掻く。
「ふっ……んっ、……っはぁ……っ」
あまり突然の出来事に驚きすぎて腰を抜かした俺は、思わずへなへなとその場に座り込む。
すると目の前のソイツもしゃがんだ。
そして俺の耳元に息を吹きかけて囁くように言った。
「顔真っ赤……。気持ちよかった? 」
「うるせぇ、そんなわけあるか! ふっざけんな! 」
その声にびくりと肩を震わせたのも、顔が火照っているのも、そう言っていつもの笑顔を浮かべるソイツの顔も、何もかもが気に食わなくて俺はまるで負け犬のように吠えるのだった。
本日の勝者:ヒーロー
負け犬のように吠える outside→←コーヒーの後に outside
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
闇鍋ソース(プロフ) - ナイフさん» じゃあ!いつも厳しい上司にいやけがさして!誰もいない時呼び出して襲っちゃう話ください! (2019年8月27日 11時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - 闇鍋ソースさん» 楽しんでいただけて良かったです、リクエストありがとうございました。リクエストに上限はないのでいくらでも言ってくださればかけるものについては書きますよウヘヘ (2019年8月27日 9時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - ギャァァァァ(尊すぎて爆発)しゅ、しゅき……パナイゼ……まだリクエストしたい…しかしそれではナイフさんの書きたいものかけなくなっちゃうよう……グワァァァ(葛藤) (2019年8月25日 22時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - ツンデレな強がりヘタレ悪役を純情天使なヒーローがテクでひんひんいわせる話下さい←なにこの変態 (2019年8月21日 21時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ナイフ(プロフ) - ここりどらすさん» コメントありがとうございます。性癖に刺さっていただけて嬉しいです。色々なシチュをまだまだ書いていく予定なので良ければこれからもお付き合いください。ありがとうございます。 (2019年8月21日 10時) (レス) id: db7c72b981 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナイフ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/
作成日時:2019年8月19日 11時