双子。【煉獄杏寿郎】

肆 ページ24

杏寿郎はまた話を続けた。


煉｢弟の千寿郎には自分の心のまま


正しいと思う道を進むよう伝えて欲しい


父には体を大切にして欲しいと伝えて欲しい。


そしてA。


自分を閉じ込めるな


我が道を進め


道が見えなくなったら


俺の事を思い出して欲しい。


そして…。









俺と一緒に生まれてきてくれてありがとう。｣





そう言い残して彼は安らかに眠った。






＊





(杏寿郎side)



母上



俺はちゃんとやれただろうか





やるべきこと




果たすべきことを全うできましたか？





妹を…導く事ができましたか…？





母は、｢立派にできましたよ｣と言って微笑んだ。









(Aside)




信じられなかった。


兄の亡骸の前で崩れ落ち、泣きじゃくる。


貴『兄上…！兄上！！』


さっきまで生きていた人が


あんなに私を大切に思ってくれていた人が




死んだ。




泣いて、泣いて、泣いても悔やみきれなかった。




貴『いか…ないで…』




もう熱の籠っていない彼の手を頬に当てる。


私は馬鹿だ。


なぜ生きている間に優しくできなかった？


あんなに私に尽くしてくれていたのになぜ恩を返そうと思わなかった？

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