拾壱 ページ12
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「A、今いいか?」
「あっ、すみません。今から任務で…」
「冨岡さん、あの…」
「すまない、任務に…」
あれからAの怪我も治り、俺もAもほぼ毎日休む暇なく任務に行っている。話したくても、お互いに時間が無い。
俺が話せる日は決まってAが任務に、Aが話を出来る日は俺が任務に。
「おー、派手にすれ違っているみたいだな!」
「…宇髄か」
「冨岡もそんな顔できるんだな!」
そんな顔とは、どんな顔のことだ。俺は今どんな顔をしているのか分からないが、宇髄は変わったものを見たように笑った。
「俺がお前の任務、引き受けてやるよ。そしたらAと話せんだろ」
宇髄は白い歯を見せて笑う。本当はそんなことをしていいのか分からないが、今は宇髄の善意を受け取って、お願いしよう。
このままでは任務にも集中出来る気がしない。
「…だが、Aの方が」
Aが忙しければ、俺が変わって貰っても意味が無い。
特に最近は色々駆り出されているようだし、邪魔になるだろう。
「おお。それなら今夜、ここに来てくれってよ」
ここ、と宇髄が指したのは手元にある地図。
それは、いつかAが話していた空のよく見えるところだった。
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義勇と杏寿郎推し - むっ!これは完結か?よもや、よもやだ!初めましてだな!煉獄杏寿郎だ!これからも心を燃やして頑張れくれ!じゃあな! (2021年8月4日 7時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年6月27日 20時