音柱の恋愛事情【宇髄天元】

弐拾 ページ22

･Aside



今すぐ、宇髄さんの元へ行きたい。あの優しい眼差しを。声を。笑顔を。



「A様のことはどうでもいいです。私の嫁になる、そういう約束ですよ？」


「それは親の決めたこと。私は承諾した記憶はございません」



それに…お互いに想い人が出来ればこの約束は破棄されると言っていました。
なんて言っても相手にはされない。



「A様の意思は必要ないです。何回言えばよろしいのですか」


「何度言われても、私は貴方の嫁になりません」



目を瞑れば、宇髄さんの顔が浮かぶ。怒った顔、笑った顔、真剣な顔…。
私は宇髄さんがいい。はやく宇髄さんに会いたい。この話、はやく終わらせたい。



「A様。そんなに言うのなら、私よりもいい人を連れてきてください。あと10分ほどで」



10分…！？
鬼殺隊の本部からここまで、1時間以上かかる。そんなの、無理だよ。



「出来ないのですか？A様の居場所もわからず、のんびり過ごしている者など貴方に相応しくない」


「…来てくれています。それでも10分で来ないなら、貴方の嫁になります」



宇髄さんはすぐそこまで来てる。何故かわからないけど、そんな気がする。
だから、10分待ってます。宇髄さん＿＿。

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