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「ユンギは昔から天才肌で、
俺とは違って好きなことを見つけたら
それだけをやってきたタイプなんだよね。」
そう言うジンくんの言葉に私は納得だった。
世間体とかそういう細かいことを気にしないで、
好きなものだけに囲まれて生きていく、
器用さはないのかもしれないけど
理想が高いわけでもなくて、
満足した人生を送りそうな雰囲気が
ユンギからは出ていた。
「ユンギは真っ直ぐだよね、なんか。」
ユンギみたいになりたい、と私は憧れていた。
私も興味のない人や話に向き合いたくない。
時間を思う存分、
自分だけのために使いたい。
ユンギを見るたびにそう思っていた。
挨拶に力が入ってなかったり、
自分からは話を提供しなかったり、
好きな話題にだけ反応したり、
ユンギはとにかく主観で生きていた。
そんな彼を最初は無愛想な人だと思った、
次に純粋な反応を見て子供っぽいと思って、
そして今は不器用な男だと思っている。
「うん、羨ましいよ。」
微笑みながら羨望の感情を口にするジンくんは
汚れのない青年だった。
だからかな、
私は思わず言ってしまった。
「でも、私はジンくんの方が好きだよ。」
普通のあなたの方がよっぽどいい。
「え、、、」
不意打ちの''好き''という言葉に固まるジンくん。
そんな彼に私はただ微笑んだ。
ユンギみたいに不器用で孤高な男より、
社会とちゃんと関われる
人に最低限の優しさを持って接するあなたの方が
絶対にいいよ。
その方が私も余裕をもって接することができる。
自分の醜い感情や劣等感を隠すことができる。
だから、あなたの方がいいよ。
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作者名：L | 作成日時：2021年10月21日 0時
