13 ページ13
Jin side
2ヶ月間にユンギ抜きで彼女と会った回数、6回。
そのことをユンギには言っていないどころか、
罪悪感で会えずにいた。
そんな中、
またいつものように居酒屋で彼女と飲んでいた時、
「私はジンくんの方が好きだよ」
と、予想していなかった言葉が聞こえた。
季節はもう12月を迎えていて、
もうすぐクリスマスだった。
ユンギは誘うのだろうか、
俺は誘ってもいいのだろうか、
そんな疑問が頭に浮かんだけど、
答えは彼女が決めると都合よく解釈して、
俺は流れに身を任せた。
「じゃあ、クリスマス俺と一緒に過ごしませんか？」
.
「いいよ。」
そう聞いて安心した。
だけど、俺は心のどこかで
彼女が断るわけがないと本当はわかっていた。
受け身の彼女が、
人を傷つけない彼女が、
俺の誘いを断るわけがない。
だって、ただの早い者勝ちなのだから。
「どこ連れてってくれるの？」
「………考えておきます。」
「じゃあ、楽しみにしとくね。」
ユンギ、
俺はこの時お前を裏切り友情が終わる恐怖と
楽しい日々への期待を同時に抱いた。
そして、
その２つの感情はどちらも正しかったんだ。
だけど、俺は悪くないよね。
だって、お前から何も聞かされてないんだから。
好きだって言葉や紹介を受けたわけじゃない。
ただお前と何も発展していない女の先輩を
俺が好きになってしまっただけなんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：L | 作成日時：2021年10月21日 0時
