信じない ページ18
いけない、いけない
私は探偵社を出て少し経った後全速力で走り始めた
というのも、お店を開けっ放しにして出て行ったことを思い出したからだ
これじゃあ泥棒をして下さいと云っているようなもの
早くなる心臓の音を無視して走り抜ける
漸く見慣れた道が見えてきて、速度を緩めた
無人なのにOPENと掲げられた札を見ながらそーっと扉を開けた
が、何故か開かなかった
鍵をかけてから探偵社へ向かったんだっけ?
否、だとしたら札はCLOSEの文字になっている筈
そんなミスはしない
なら如何して?
少し考えていると中から話し声が聞こえた
声の高さから考えると男と女
店長がいる筈は無いし、状況的にも強盗しか有り得ない
きっと強盗が中から鍵を閉めたんだ
ごくりと生唾を飲み込む
仕方なく従業員(と云っても二人だが)しか知らない裏口に回ることにした
中にいる奴等に気づかれないよう用心してドアノブを回した
耳をすますと女の声は店長と酷似していた
店長だと思わなかったのは、私に一度も嘘をついたことが無いから
拾ってくれたあの日から、一度も
中に進むにつれて、より鮮明に彼らの声が耳に入ってきた
物音を立てないように息を潜め、静かにその場に座った
「お前は徳田Aに光を見せすぎた。其の所為でマフィアに入ることを拒んでいるようだ」
「ふん、そんなのあんたら構成員や芥川さんにでも矯正してもらってよ。それより彼奴の面倒見た年数掛ける二百万、とっとと寄越しな」
「それは徳田Aがマフィアに入ってからの約束だろう?」
『From:佐々木さん
今日体調悪いからお店のこと、お願いするね。
一人になっちゃうけど、頑張れ♡』
朝に届いたメールを閉じて
そっと電源を落とした携帯の、真っ黒な画面には
不細工な自分がいた
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カカオ(プロフ) - Seaさん» 褒めてもらってすごく嬉しいです!カトレアは花のほうですよw醤油…考えたこともありませんでしたw (2018年2月16日 23時) (レス) id: fdcd433a9e (このIDを非表示/違反報告)
Sea - めっちゃ面白いです!続きが気になる…!あと作品と関係ないですがカトレアさんのカトレアってあの醤油のカトレアですか?← (2018年2月16日 21時) (レス) id: c676ee4e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カトレア | 作成日時:2018年1月14日 21時