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リ「新兵とハンジ達の生き残りが一斉に馬で散らばり…
帰路を目指すのはどうだ？
それを囮にしてお前を乗せたエレンが駆け抜ける」
エ「リヴァイ…お前はどうするつもりだ？」
リ「俺は獣の相手だ、奴を引き付けて」
エ「無理だ、近づく事すらできない」
リ「だろうな、だが…
お前とエレンが生きて帰ればまだ望みはある
既に状況はそういう段階にあると思わないか？
大敗北だ、正直言って…俺はもう誰も生きて帰れないとすら思っている」
エ「あぁ、反撃の手立てが何もなければな」
『…あるの？』
エ「あぁ…」
『…何でそれを早く言わないの？
なぜそんな酷い顔して黙っている？』
エ「…この作戦が上手くいけば…
お前は獣を仕留める事が出来るかもしれない
ここにいる新兵と、私の命を捧げればな」
私は頭が真っ白になった
『…え…それって…つまり…死ぬって…事…？』
エ「…あぁ、そうだ
どの道、我々は殆ど死ぬだろう
いや…全滅する可能性の方がずっと高い
それならば玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法もやむなしなのだが…
その為にはあの若者達に死んでくれと…
一流の詐欺師のように体の良い方便を並べなくてはならない
私が先頭を走らなければ誰も続く者はいないだろう
そして私はまっさきに死ぬ
地下室に何があるのか…知ることもなくな」
エルヴィンはため息をつくと、近くにあった木箱に腰をおろした
エ「俺は…このまま…地下室に行きたい…
俺が今までやってこれたのも…いつかこんな日が来ると思っていたからだ…
いつか…答え合わせが出来るはずだと
…何度も…死んだ方が楽だと思った
それでも…父との夢が頭にチラつくんだ
そして今、手を伸ばせば届く所に答えがある
…すぐそこにあるんだ
…だが、リヴァイ、A
見えるか？俺達の仲間が
仲間達は俺達を見ている
捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ、まだ戦いは終わってないからな
全ては、俺の頭の中の…子供じみた妄想にすぎない…のか？」
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作者名：ふらんそわ。 | 作成日時：2023年5月10日 23時
