93話_ ページ49
カツカツと廊下に音が響く。
「失礼します」
オビが開いた扉の先で、ふわりとドレスが波打った。
「良いところに…！オビ、練習相手になってくれない！？」
部屋に入ってきたオビに詰め寄る白雪の後ろから、細い声が白雪を呼び止める。
「だ、大丈夫ですよ、白雪どの……初めは誰でも難しいものです……」
そこにいるのは足を押さえ蹲る男の姿。
「舞踏の先生？」
「私が、何度も足を踏んで…申し訳なくて…」
「そりゃー勿体無いお誘いだけど、俺これからお守りだからさ」
「あ、巳早？ゼンの意向か…私も情報探しに行きたいんだけど…」
考え込みながら当たり前のように呟かれた白雪こ言葉にオビは頭をかいた。
「たくましいねぇ…主もお嬢さんも。あんたはこっちで手一杯でしょうが」
「そうそう。無理は禁物だよ白雪。
それはそうと、オビがしないならダンスの相手には私がなりましょうか？」
2人の後ろ、扉から入ってきたのはAだった。
「Aさん！」
「よ！白雪、オビ。オビ、もうすぐ巳早来ると思うぞ」
「わかってますよ。…ま、ということで美少年の方は俺と主にあずけときな」
「うん…」
「じゃ、頑張ってね」
「うん！」
巳早の名前に嫌そうな顔をしながらもひらひらと手を揺らすオビを見送って、白雪はAに向き直った。
「Aさんはどうかしたんですか？」
「ん、練習の具合はどうかなっていうのと、預かったものを届けにね」
そう言ってAが差し出すのは薬学書と薬草の入った筒とカモミールのサシェ。
「ガラクさんはいい機会だから楽しんで、でもしっかりやってきなさいって。リュウは無理はしない程度に頑張って、って」
白雪は受け取ったものを胸元に抱きしめるとAを見上げる。
「Aさん、ありがとう！」
満面の笑みを浮かべる白雪の頭をふわふわと撫でる。
「白雪、不安はあると思うけど、久々のタンバルンだし、いつもと違う場所を楽しんでくればいいよ」
「確かに、不安とか、どうしようって気持ちはあるんだけど、Aが言う通りタンバルンに行けるのはすごく嬉しいんだ」
「そうそう、その意気だ」
「今は、私がやらなきゃいけないことを出発までにやる」
練習用のワインレッドのドレスの端をつまんで苦笑する白雪の頭を今度は少し強めに撫でる。
「わっ！」
「何かあったらすぐ助けに行くから。行っておいで、白雪」
白雪の出発はまで、もう2週間をきっていた。
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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ！コメントありがとうございます！なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます！まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ！本当にありがとうございます！！ (2016年5月9日 7時) (
レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか！？ (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね！更新頑張ってくださいっす！ (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます！自分なりにこれからも頑張ります！！ (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます！頑張ってください！ (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2015年9月9日 12時
