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91話_ ページ47

「よぉ、オビ」
「あれ?Aさんじゃないですか。主は今兄殿下の所行ってますけど」
「…オビ、お前書状を渡しに来たの誰だと思ってるんだ?」
「ですよねー」

あははは…と頬をかくオビをまったく、と笑う。
用があるわけでもなく、木の上でくつろぐオビが見えたから声をかけただけだ。

「お前こそ何やってるんだ?ゼンはイザナの所、ミツヒデや木々はゼンの執務室にでもいるだろう?」
「いやぁー、主がお嬢さんといる限り俺の仕事はあってないようなもんですからねぇ」
「はは、伝令役は大変だな、オビ」
「……まぁ、慣れはしないですねぇ」

見上げる俺から顔をそらすように隣に降り立つとそれより、とオビが言った。

「Aさんは何をやってるんですか?こんな時間に」
「薬室の方に行ってたからね、その帰りだよ」

そう肩をすくめてみせると鋭い目が飛んでくる。最近行っていなかったから片付けついでに行っていたら思ったより時間をくっていたようで、気づいたら午後7時を過ぎていたというだけだ。

「Aさんは何の話か知ってるんですか?」
「まぁ…そりゃあ、ね」


今頃イザナがゼンと白雪に話しているのは、白雪に届いたラジ王子からの夜会への招待状のこと。
ゼンは、どうするだろうか。

「それって、俺も関係したりします?」
「それはゼン次第だなぁ…」
「主、動くんですか?」
「オビ、お前ゼンがそんな簡単に動けると思ってるのか?」
「いや、思ってませんけど、お嬢さんの事になるとあの人は何かしそうだなぁくらいは思ってますかね」
「……まぁ。んー、だけど今回はそうも言ってられないからな。…だからこそ、お前がどうなるかはゼン次第で、多分、オビ、お前次第だろうな」

俺の言葉にきょとんとするオビの顔を眺めて笑ってみせる。

「今日の夜、まぁ遅くても明日にはわかるだろ。そう悪い話ではないなら安心していいと思うよ。…じゃあ、そろそろお前も戻れよ」

もう一度肩をすくめてみせて、俺は執務室へ歩き出す。

「…Aさん!さっき、嫌な予感がって言ってましたよね」




「………あんなものも、当たらなければそれでいいんだよ」




背中にかかった声に、顔だけ振り向くと、探るような眼は見ないようにして答える。


ぞくりと背筋をなぞるこの予感も、当たらなければただの思い違いになるのだから。


ギリッと、噛み締めた歯が音を立て、俺は足早にその場を去った。

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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ!コメントありがとうございます!なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます!まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ!本当にありがとうございます!! (2016年5月9日 7時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか!? (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね!更新頑張ってくださいっす! (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます!自分なりにこれからも頑張ります!! (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2015年9月9日 12時

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