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77話_ ページ33

弓矢番のアトリ

それが少年の名。

「ミツヒデ」
「イザナ様!」
「紹介しておこうと思ってな」
イザナ様の後ろから出てきた青年

「しっかり会うのは初めてかな、A・アングレカムです。よろしく、ミツヒデ君」

反射的に俺はその手を握ったんだけど。

「名前くらいは知っているだろう」

知ってるも何も、この人は有名だ。
見た目は25歳くらい。有名なのが無地の身分証で、いつから王城に仕えているのかすらわからない。

「は、はい」

たまに訓練場にもくるし(その時は大抵2.3度模擬戦をして帰っていく)少し話した事もある。

「にしても、ゼンの側役か。大変だなぁ」
「あ、い、いえ」
「気にするな、Aはゼンの兄のようなものだ」

言ったのはイザナ様。
そういうわけじゃないんですが…

「いや、君なら大丈夫なのかな」

帰り際、Aさんの言った言葉が耳をかすめていった。


その後も、相変わらずゼン様を追いかける日々
そんな中でも、自体は動いていた。

「アトリィー!」

ゼンの声は未だに耳に残っている。自分が切った、反逆者の、ゼンと同じくらいの少年。

事があった2日後、イザナ様の命で城を出ていたAさんが帰ってきた。

「剣を抜かなかったんだってな、ゼン」

同席させてもらったその場で、Aさんは静かに言った。
ギリギリまで抜かなかった剣のことを。

「あの少年には、もっと前に話した事がある」

俯いていたゼン様の顔が上がった。
2人の視線が合わさった。

「俺が彼に言った言葉に、彼はこう答えたよ。そんなのわかってますよってね」

「なん、て…」

Aさんはゼン様の頭を撫でて部屋を出た。

事件から1ヶ月。
ゼン様の謹慎が解け、俺はゼン様と会っていた。

アトリ少年の鏃。

信じてみたかったと泣くゼン様に改めて背負っているものを見た気がした。

「私に、あなたを守らせてください」

裏切る事のない、この方の味方でありたいと思った。

「ミツヒデ」

名前…はじめて

「俺はなるぞ」
「何に、ですか」
立ち上がったゼンの後ろ姿

「頼られる主に、といいたいけどまずは」

その顔を、忘れる事はないだろうと思っている

「強く、だ!」

その笑った顔を、忘れる事はないだろう

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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ!コメントありがとうございます!なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます!まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ!本当にありがとうございます!! (2016年5月9日 7時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか!? (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね!更新頑張ってくださいっす! (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます!自分なりにこれからも頑張ります!! (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2015年9月9日 12時

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