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76話_ ページ32

「そういえば、ミツヒデさんと主っていつからの付き合いなんですか?」

男3人だけの執務室。オビの台詞は記憶を引き出させた。

「…たしか、6年くらい前だよな?」
「そうだな」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

あの頃はイザナ様の側で働きたいと思っていた。稽古中にやってきたイザナ様に連れられた先でゼンに会った。

「お前、兄上に仕えたかったんだろ?」

出会ってすぐくらいに言われた言葉。あの頃は全くもって図星で、その観察眼に感嘆したことをよく覚えている。


「私は城での作法を知らぬもので…ご指導の程を」
「…お前、いつもそんななのか?」

突き放されてもも追いかけ回す俺にゼン様は鬱陶しそうな顔をしていたな

「ゼン殿下!」
「ミカゼどの。兄上に?」
「これから参るところです」
「…ミカゼどの、今私の側を任せてるミツヒデというものです」

別人じゃないか、というのが正直な感想だった
話し方も表情も、一瞬で変わった。

「お前、この方を兄上の所までお連れしてくれ」
「はっ」

嫌われたのかもしれないな…
こんな調子でやっていけるのだろうか

「安心しました」
イザナ様の所へ向かう途中、ミカゼ殿はそう言った。
「ゼン殿下の側役は空席が続いていると聞いていたので」
「そう、なのですか」
「ご存知ありませんでしたか?今は…王子である事への反抗期だと少し前にイザナ殿下が仰っていました」

「反抗期…ですか」
「そう。反抗期です」
ミカゼ殿は言いながらクスクスと笑った。


その後、ゼン様を見つけた時、少年も見かけた。

「友達じゃない」

少年のことを聞いた俺に背を向けたままそう言った。

「俺に友達なんかできない。言っておくが、お前だってただの側近でしかないんだからな。俺といる限り…ずっとだ」

「そのような、冷たい事仰らないで頂きたい」

言葉はすらりと出た。寂しげな背中に、何か言いたかったのかもしれない

「つめ、たい?」
振り返ったゼン様は、口をあんぐりと開けている。
「はい。傷つきます」
「…いや、当然のことだろ?」
この時どんな表情をしたかなんて覚えてないけど、ゼンがぎょっとしていた。
「それは…すまなかった」

くるりと向きを変えたゼン様は困惑した雰囲気のままスタスタと歩いていった、

城内を歩かれる時、ゼン様は貴公子然とした表情を見せる。その姿には、素直に感心した。
年相応の表情をしていたのはあの少年と会っている時だけ。

隠れて会っているのは互いの身分を考えての事だろう

ただ……

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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ!コメントありがとうございます!なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます!まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ!本当にありがとうございます!! (2016年5月9日 7時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか!? (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね!更新頑張ってくださいっす! (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます!自分なりにこれからも頑張ります!! (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2015年9月9日 12時

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