65話_ ページ21
胡桃石で出来た笛を見せてもらったくらいで時間のことを思い出す。
「キハル、私そろそろ…」
「仕事中だったのよね。ありがとう、ねぇ、名前教えてもらえる?」
白雪は、キハルに言われてから自分が名乗ってないことに気がついた
「私こそ自己紹介がまだだったね、私は白雪」
「しら、ゆき…あなたが白雪さん!」
「へ?」
名前を聞いた途端身を乗り出して手を握るキハル。
「あ、ごめんなさい急に。ここに来る時にAさんって人に助けてもらって、機会があったら会うといいって」
「Aさんに会ったの?」
数日前ゼンに聞いた時には行方がわからないって言ってたのに
「あ、それでね白雪さん」
「白雪でいいよ」
「私もキハルって呼んで。じゃあ白雪、殿下のところに行く用があるならこれ、渡しておいてもらってもいいかしら?」
腰につけたポーチからキハルが手紙を取り出す
「渡すように頼まれてたの忘れちゃってて」
「うん、わかった」
「引き止めちゃってごめんなさい、仕事頑張って」
「ありがとう!キハル」
Aからの手紙と、薬草の入った籠を持って白雪とオビは薬室に向かう。
後ろからはキハルの吹く綺麗な笛の音が空へ響いていた。
キハルの、ポポの仲間を助けることはできないのだろうか…
仕事中も繰り返されるのはそんな疑問。
「鳥の保護はできない、か」
「お嬢さん?」
呟いて思いついた、事がある。
「オビ!」
案を聞いたオビは笑って頷いた。
「鳥を操る技?」
ゼンはキョトンとして聞き返す。
「胡桃石の笛で。ねぇゼン、これを役立てる事ってできないのかな?」
考え込んだゼンはしばらくして呟く。
「……それがあるなら、なんとかなるかもしれん。木々、トグリルどのと話がしたい」
「わかった」
部屋を出る木々を見送ってゼンは白雪に笑いかけ、
「白雪のおかげだな」
「よかった」
白雪も心底安心したように笑みを浮かべた。
「あ、そうだ。キハルがAさんから預かったって」
「最近は手紙が多いな…」
さっと目を通したゼンは、手紙を白雪に渡す。
【急にいなくなってすまん。もうすぐ帰れるつもりだから、仕事はそのまま置いといてください。キハルとポポは無事に着いた?2人にもよろしく言っておいてほしいです。じゃあ、近いうちに A】
「か、簡潔だね」
「どこにいるとか全くだしな」
「でも、もうすぐ帰ってくるみたいだね」
「そうだな」
こっから3ヶ月、はないよな…流石に。
100人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ!コメントありがとうございます!なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます!まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ!本当にありがとうございます!! (2016年5月9日 7時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか!? (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね!更新頑張ってくださいっす! (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます!自分なりにこれからも頑張ります!! (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レイ | 作成日時:2015年9月9日 12時