46話_ ページ2
ウィスタル城にて、
(やばいな、)
でる限りの早歩きで歩く。
ラクスドの1件が落ち着きを取り戻したことに安心して完璧に忘れていた事がある。
ノックをした部屋の先、
「入れ」
「失礼します」
「ラクスドへ行っていたらしいな」
「ええ、少し。…長旅お疲れ様です。イザナ殿下」
いるのは、第一王子のイザナだ。
「A、そんなに気を張らなくていい。いつも通りにしてろ」
「あはは、じゃあ、そのように」
キチリと立っていたAはイザナの言葉に体の力を抜いた。
「どうだった?今回は」
「あぁ。上手くいったよ」
「そっか、なら上々だね」
ゼンよりも落ち着いた雰囲気をもつイザナはその才能をかわれ国政に関わる仕事をしている。
「Aは知っているか?白雪というゼンの友人のこと」
こちらを見る目はいつもより冷ややかで、予感が外れる事を期待しながら頷く。
「旅の間に知り合った知人の1人だからね」
「そうか」
「イザナも関わってみるといいよ。きっと得られるものがある」
そういえば、絡まる視線。
「……きっと、そうなんだろうな」
じっと、なかば睨むように目を合わせていたが、イザナがそっと視線を外した。
「きっと、手放す事はしないよ…」
何も言わないイザナに、俺はそっと部屋を出た
____ ___ __ _
「…衛兵の配置が変わってるな」
「うん?…確かに数も多いような」
資料室に向かう間に呟くと、立ち止まったゼンは違う方へと歩き出す。
さっと周りに目を向けると空気も違うことに気づく。
予感に従いある場所に向かう。
「ゼン様、これより先はお通しできません」
「何故だ?」
「お答え、できません」
じっと睨みつけるゼンに、衛兵がたじろぐ。
「そうか、ご苦労」
呼ばれるまで待てって事か
「ミツヒデ、木々、身支度を整えておけ。
……兄上が帰ってきている」
反応した2人を連れてゼンは今度こそ資料室に向かった。
「オビ!10秒以内に出てこい」
執務室に戻ったゼンはベランダから外に向かって言う。
「お前、その顔どうした?」
「いやー、いきなり」
姿を現したオビが話し始めると共に、扉がノックされ、ゼンに手紙が渡される。
「悪いなオビ。後で聞く。とりあえず顔は出しとけ。傷洗って部屋で待機!いいな」
「?はい」
頬に傷をつけるオビに指示をすると手紙を読んだゼンは部屋を出た。
【暇なら花謡いの間においで】
それだけ書かれた手紙。言われずとも相手は知っている。
「ミツヒデ、木々行くぞ」
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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ!コメントありがとうございます!なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます!まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ!本当にありがとうございます!! (2016年5月9日 7時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか!? (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね!更新頑張ってくださいっす! (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます!自分なりにこれからも頑張ります!! (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2015年9月9日 12時