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彼が気を利かせていろんな話をしてくれて、とても楽しかった。
楽しい時間はあっという間。
気が付いたら家に着いていた。
時の流れは残酷だ。
まだ、話していたいなんて思いながらも私は彼にお礼を言う。
『あの、わざわざ送ってくださりどうもありがとうございました』
私がそういうと、彼はいーっていーって、と笑った。
彼の顔が、外灯に照らされる。
眼鏡をかけていて、少しツリ目。
どこかで見たことがあるような気がする。
考えている暇もなく、彼はそれじゃあまたな、と踵を返して先ほど歩いてきた道を歩いて行った。
また、な。
またどこかで会えるのかな。
会えたら、今度はちゃんとしたお礼をしないと。
そう思いながら私は家に入り、何となくテレビをつける。
≪皆さんこんばんは!君と愛なnight!のお時間です!≫
橙色の髪の毛の背の低い男の子が、司会をやっている。
彼も、どこかで見たことあるような気がする。
でもやっぱり思い出せない。
まぁいいや。
特にやることもなかったからそのままつけていると、驚きの光景が広がった。
≪えーっ、現在○○街にいる大和さんと繋がっています!
大和さーん!≫
≪はいはーい≫
大和と呼ばれる彼は、先ほど私を家まで送り届けてくれた人だった。
そして、思い出した。
彼はアイドリッシュセブンの二階堂大和さんだ___。
とんでもない人に送ってもらったな、と思いつつもため息が出る。
アイドルとか、今は会いたくなかったから。
≪大和さん、中継繋ぐ〜ってなったときにその場からいなくなったらしくて!
それで俺がうまく繋いでたから良かったものの、どうするつもりだったんですか!≫
橙色の髪の毛の男の子は、たしか三月、とかいう名前だった気がする。
三月は、画面内のモニターに向かってポコポコと怒っている。
≪いやぁ〜、泣いてる女の子を見つけちゃってね。慰めてました!≫
私のことだ。
そう思うと顔が急に熱くなっていく感じがした。
≪泣いてる女の子をほっとくことはよくないからな!ナイス、大和さん!≫
私のために、中継を伸ばしてもらってまでしてくれたのか。
彼のただの気まぐれだったのかもしれないけれど、とてもうれしかった。
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美香虎(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» お返事が遅れて大変申し訳ございません。優しいお言葉、ありがとうございます。 (2018年9月17日 19時) (レス) id: dccbcf0598 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 夢主ちゃんがみんなと一緒に幸せになれますように。本当の“しあわせ”に触れられますように。 (2018年8月6日 2時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
美香虎(プロフ) - 湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き!!!さん» 返信が遅くなり申し訳ございません。嬉しいコメントありがとうございます!気の向いたとき更新なので3ヶ月に一度くらいの更新ですがどうぞよろしくお願いします (2018年6月5日 21時) (レス) id: dccbcf0598 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い亀ちゃん大好き!!! - 凄く面白いです!あんスタとアイナナの小説意外とないのでこの作品を見付けた時凄く嬉しかったです!迚面白いので更新頑張って下さい!応援しております!では。^ ^! (2018年5月5日 13時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美香 | 作成日時:2017年7月23日 22時