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彼女が居ることは分かっていた
ちらっと脳裏によぎる廉くんの彼女の顔
ごめんなさい
でもね
私の方がずっと前から廉くんのことが好きなの
あなたが廉くんと出会うずっと前から
今日は特別な日だから
「今日だけでいいから」
この一言で私たちの関係は崩れていってしまった
熱を帯びて揺れている瞳はいつもの廉くんじゃなくてゾクゾクした
「お前の部屋」
それだけ言って私の手を引いて部屋の前まで移動する
私の家の構造まで分かるくらい家の行き来をしていた
やっと私の思いが伝わった
そんな浅はかなものじゃ無かったのに
ドアを開けると乱暴に部屋に押し込まれてすぐに壁に追いやられた
「後悔すんなよ？」
眉間に皺を寄せて近づいてくる綺麗な顔
瞳いっぱいに映る私の顔
「廉くん、っすき」
「分かったって」
思えば廉くんに“俺も好き”だなんて言われていなかった
そんな事考える余裕もないくらいにその時間に溺れていた
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作者名：ふうせん | 作成日時：2020年2月1日 19時
