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夏休み前半は毎日毎日馬鹿みたいなことして，遊んで，駄弁って、暴れて、ゲームして
そんな楽しい毎日が続いたが
「ごめんゾム！俺今から部活やねん!」
部活や俺自身の補修で予定が合わなくなってしまう。
俺自身もサボれるからという理由で美術部に席は置いてるけど実質一回も出たことはない。
今日は何しようかと駄菓子屋の暖簾をくぐる。
「あっ」
『あっ』
……
「虎無さん、ここよくくるん？」
『んー、たまたまかな』
駄菓子って懐かしいって感じがするでしょ?と封を開けた黒棒を差し出してくる
「ごめん、俺甘いの苦手やねん」
『あっ，そっか』
ごめんごめんと手下げて自身の口に入れた。
『イメージとちがう、って、思ったでしょ』
「はっ…？いや…」
いいの別に、と微笑んだままで
あつーい，と言いながらパタパタと手を煽る
駄菓子屋前のバス停のベンチに座る。
虎無さんはきっと今から母親のお見舞いに行くところだろう
これだけ暑いと溶けちゃいそう
そう言った彼女の白のワンピースが汗で肌にくっついている。
なんか、見てはいけない気がしてフードを深くかぶる。
『ゾム君は暑くないの?』
「あっ？いや、うん。別に…」
不思議な変な間が蝉のじくじくと鳴く声でもっと気まずい。
しばらくの沈黙…
『幼馴染が遊びにくるの』
どこか遠くを見つめて彼女はそう言った
「幼馴染？」
『うん。夏休みには必ず家に来て夏休み後半まで泊まっていくんだ』
「珍しいな、普通はいとことかやないの？」
にっ，と笑って遠くを見た彼女。
きゅっ、と弧を描いたまま口を閉ざしてしまい、再度静かになる
『ね、ゾム君デートしよっか』
「はぁっ？！」
思わず大声で叫んで立ったのをくすくすと笑う虎無さんは、年相応に見えた
言葉がわからず、また理解ができない
『わからないと理解ができないは同じ意味だよ』
ひー、お腹痛い!と笑う彼女のその笑顔は
ベタな例え方だけど向日葵に見えた
『ゾム君って困惑したら言葉が出てこないタイプなんだ！』
ふへへ、新しい一面が見れたと満足そうな虎無さんにふぅ、と一呼吸ついてからかさつく口を開けてる
なにか、何か返事をしなければ
『私も同じなんだ、テンパったら言葉とかどうしたらいいかわかんなくってさ！』
「そうなんや」
虎無さんの先にはバスが近づいてくる。
『予想外のことがあったら私、困っちゃう』
あれ？あのバスなんか…
『ゾム君も私と同じならいいな! 』
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作者名：クロエ | 作成日時：2023年1月25日 17時
