time sharing house～日常茶飯事～ (ページ27)

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　夕方になって、ライブに出掛けていく裕翔と圭人を見送った。
ふたりが帰ってくる頃には俺たちは眠っている予定だから。
また明日に、と声を掛けて。

　夕飯の準備を始めた光くんを手伝おうと思ったけど、いいよって言われちゃったから。
いまは侑李とふたり、リビングでのんびりしている。

　最低限聞こえる程度のテレビ、光くんの調理している音。
そのふたつを心地良く聞きながら、すぐ隣にあるぬくもりを感じる。

　ここのみんなは俺と侑李がべったり引っ付いていても、誰も咎めない。
だからなのか、侑李は遠慮することなく隣に居ると俺に寄り掛かって座る。
俺はそんな侑李の腰に腕を回して、引き寄せるように寄り添うんだ。

　いつも、俺の左側は侑李が居るからあたたかい。
夏場でもこのぬくもりは不快だとは思わない。

　こんなに侑李へ依存していて、ほんとうに俺は大丈夫なのか自分で心配になる。
離れるとき、気が狂ってしまわないか。
そんなこと、本気で考えるくらいには危うさを自覚している俺だけど。

　案外侑李のほうがそういう部分はあっさりしている。
物を選ぶことには優柔不断さを見せるけど、要らないと割り切れば早い。
こっちが驚くくらい、きっぱりすっぱり切り捨ててしまう。

　そんな侑李をいつも間近で見て、切り捨てられた存在を哀れに思っていたのは俺だ。

　いつ自分がその立場になるか、恐怖を覚えながら。