time sharing house～日常茶飯事～ (ページ26)

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　「今日はライブ？」

　「そう」

　観に来る？と聞かれ、ちらっと光くんを見れば首を横に振られる。
ダメだって、と言えば残念って苦笑い。
侑李もちょっと残念そう。

　裕翔と圭人のふたりは、そこそこ人気のあるアマチュアバンドに所属していて。
ライブのある前日や当日にこのシェアハウスを利用することが多い。
時々、ほんと時々そんなの関係なしに泊まりに来ることもあれば、ご飯だけ食べに来ることだってあるけど。

　今日は終業式で明日から夏休みに入るから来たのかと思っていたけど。
圭人がギターを持っていたから、ライブかなって。

　ふたりがメンバーのバンドはアマチュアの中でも注目度が高いって、そういう事情にも詳しい雄也が言っていた。
チケットも余ることは基本的にないって。
そう聞いているから、一度くらい観に行きたいって思っているけど。

　ライブって時間が遅いことが多いから。
俺や侑李は年齢的にダメって止められる。
自分たちだけでは絶対に行ってはいけないし、このシェアハウスの住人で付いてきてもらえる人も限られている。

　光くんか雄也か・・・滅多に来ないけど、薮ちゃんくらい。

　「あ、でもさ、明日は？」

　「ん？」

　「ほら裕翔、明日のライブは時間早いよ」

　明日は夏休みに入ったこともあって、夕方くらいから始まるらしい。
学生のふたりが入っているバンドは基本的に登場時間が早めに設定されている、ってことだから。
他のバンドを観ようと思わなければ観に行くことも可能、ってこと？

　「どう？光くん」

　許可が下りるならチケット確保してくるよ、と裕翔が光くんに確認を取っている。
渋い顔をしていた光くんだけど、俺や侑李が行きたいと主張するから折れてくれて。

　いいよ、と言ってくれた。