time sharing house～日常茶飯事～ (ページ3)

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　常日頃から利用している５人も、時々泊まりに来るあとの３人も。
みんな比較的近いところにもともと住んでいる家や実家があるから、定期的に帰って荷物を入れ替えて来る。
そうじゃないと１週間分くらいしか服とかの荷物を置いておく場所がないからね。

　電車の中、遅い時間だから座席は多く空いていて悠々と座っていられる。
スマホでシェアハウス専用のアプリを開くと、今日は何人利用予定という情報が出てきて。
５人、となっているからいつものメンバーで間違いない。

　日々このアプリを使って宿泊利用するか、食事の有無などを登録する。
そうすることで登録者全員に誰が居るのか、部屋はまだ空いているのかが分かるから。

　とはいえ、そんな暇がないときだってあるから。
そのときは直接チャットアプリで管理者に伝えればいい。
管理者とだけじゃない、シェアハウスの登録者みんなでチャットグループを作っているから情報の共有はバッチリだ。

　じゃあアプリは必要なくない？って思うけど。
それはそれで施設運用の良し悪しとかを見るために使われているから、一応ないとダメらしい。
利用日数によって支払う金額も変わってくるからね。

　予定よりも帰るのが遅くなったから、いまから帰ると連絡を入れるべきか迷う。
でも真夜中なわけでもないし、なんて思っている間に電車は降車駅へと着いた。

　シェアハウスはその最寄り駅から徒歩１０分ほどの距離にある。
街灯もちゃんと整備してある道だけを通って帰れるから、夜道でも不安は少ない。

　ま、俺男だからそんなに夜道を警戒しないといけないわけじゃないけど。

　足早に歩けばすぐに見えてきた、大きな門構えの広い洋風の家。
小さめのお邸ってイメージを受けるそこが、俺の寝泊まりしているシェアハウスだ。

　俺より背の高い門を開き、敷地の中へと入る。
そのまま真正面にある玄関ドア、ノブの部分に触れるとカチッと小さな音がして鍵が開く。

　実はこのドアノブ指紋認証で、鍵穴とかそこに差し込む鍵は存在していない。
初めて見たときほんとに驚いたけど。
ここを開けられるのは登録者と管理者だけ、ってこと。

　夜遅いし中学生のふたりはもう眠っているはずだから、静かにドアを開けて中へ。
玄関ホールで靴を脱ぐと棚にしまって、自分のスリッパを履くと玄関ホールと室内を仕切るガラスのドアを押し開けた。