memories of dream house〜日常茶飯事〜

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　キッチンに居た時間はそんなに長くない。
でも多少写真を見るペースは上がったみたいで、テレビ画面上には以前住んでいたハウスで過ごしていた頃の写真が表示されていた。

　全員が完全にハウスでの生活に馴染むまでは、裕翔もそんなに写真を撮っていなかったと思う。
そもそも裕翔と圭人がハウスへ来る頻度だって、初めの頃は月に１日あればいいほうだった。

　それがだんだんとみんなが打ち解けて、気心知れた間柄になってからは。
泊まらなくてもふたりが遊びに来る日も増えたし、みんなで出掛けることもするようになったから。

　その頃の写真が出てくるようになれば―――さっきまで見ていた写真が嘘のように、誰かしらが写っているものばかり。
中には盗撮――いや、ほとんどそうか？――と思われるものもたくさん。

　ハウスの中で誕生日やクリスマスを祝ったものから、どこかへ遠出したときのものまで。
撮られていたなんて身に覚えのないものもあり過ぎて、呆れを通り過ぎて笑っちゃうくらい。

　知念と山田、大ちゃんといのちゃんに至っては。
こんなのいつ撮ってたの！？と顔を赤くして猛抗議するけど。

　え？いい表情だよね〜と悪びれる様子もない、むしろいい仕事した！と満足そうな裕翔を見てしまうと、文句も言えなくなってしまう始末。

　「案外裕翔が最強、かな」

　ぽつん、と思ったことを零せば聞こえていたらしい薮から肯定があって思わず笑ってしまった。














　「そういえばさぁ・・・」

　本来の目的からだいぶ脱線してる気がするけど。
写真を見ながらあれこれ話をしていれば。

　誰かが、ずっと昔の記憶を辿るように零した。

　写真と、それぞれに覚えている思い出の答え合わせをするかのように。

　あのとき、あの場所で。
あの頃、どんな気持ちで。

　「ずっと、聞いてみたかったんだよね」

　なんて、少しだけ照れたように。









　そうだね、そんなに遠い昔ではないけれど―――

　ほんのちょっと、当時を振り返ってみるのも悪くはないかな。



















fin.

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