愛のない国【wrwrd!】「募集企画」『満員御礼！！！』 (ページ3)

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プロローグ3 ページ3

『ふむ…単独行動、か…。』

手元に寄せられた焼き払ってしまいたい程の書類の中に苦情の申立書が入っていた。

近接部隊である。

何でも単独行動にて隊の隊率を乱すがどうたらこうたら…らしい。

ただ、その成績はとてもよろしいもので申し分なし。

恐らく部隊長がこの結果に乗じた嫌がらせか、と判断した私はすぐに書類を棄却した。

…単独行動……。

報告書の内容を簡単に言うと、その少女は特攻とも言えるような無謀な事をしたらしい。

それに加えてあの計画は完璧だったはずで、死者数はとても少なかった。

…それでは何故？

『…面白そうな予感がする。』

私は書類をほっぽりだして総統室を出た。
＿＿＿＿＿

近接部隊訓練場所。

私は深く被った帽子にて顔を誤魔化し中の様子を伺った。

確かその少女は第3分隊だった筈…

精の出るような声にて訓練をしている時…

…後ろの白い少女は全くやる気がない様子だった。

「つまんなー…」

隊長「おい、cloud！！貴様、訓練中だぞ！！」

どうやら隊長に叱られているらしい少女のコードネームはcloud(雲)か。

はねっ返りを制すのは上官の仕事だが…

「はぁ？私はスリルが"欲しくて"ここに来たのにさー。」

隊長「貴様ッ…！！！」

全く気にもしない少女。

その様子に腹を立てた上官は少女に殴り掛かるが…

「ははっ。」

軽く笑って見せた少女は上官の攻撃を避け、なんと体術を喰らわせて倒したではないか。

「よわ。」

嘲る様に煽る少女に呆然と立ち尽くす近接部隊。

上官は痛みに顔をまだ歪めている。

……面白い。

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ。

近接員「？！誰だ！！ここは部外者が立ち入って良い場ではない！！」

拍手を向ける私に近接部隊員は手持ちのライフルや刀を構えた。

…まったく、無礼者め。

とはいえ、私は顔を信用する者以外に見せた事はない。

近接員「すぐに立ち＿」

『ルピナス国総統兼軍師、"アノ革命"の最前線にて自由と平等をもぎ取り、この軍と国を設立したホノカ・ヴェールでもか？』

立去れ、そう言われる前に堂々と高らかに告げれば近接部隊は全員顔を青白くする。

『ほう…総統様にライフルを向けるとは…偉くなったものだな？』

近接員「っ！？も、申し訳ありませんッ！総統様！！総統様とは存じ上げずっ…」

ライフルを向けた隊員に軽く笑って大丈夫だ、気にするな、と声を掛けて私は少女を見据える。

『私が用があるのは貴殿だ。至急総統室へ来るように。』

「え、私？」

続く→