【呪術廻戦】例えトリップしても、二人一緒なら乗り越えられる！！ Ⅳ (ページ5)

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episode.155 ページ5

□薫side

電話をかけた相手は、俺達にとってとても、とても大切な人。

彼女は、俺のこの一言ですぐ分かった、俺だと。そして、喜んでくれた。彼女には、悟先生が俺らの事を説明してくれてる。だから、連絡できなくてごめんなさいと謝っても、いいのよと言ってくれた。孫の声が聞けて良かった、とも。

「実は、青森に来てるんです。今」

だから、少しですけど会いに行ってもいいですか、と言った。

そこら中にいる窓。もしその中に誰かと繋がってる人物がいるかもしれない。見つかってしまったら俺らを狙う、よく思っていない奴らに狙われてしまうからほんの少ししか会えない。けれど、会いたかった。

彼女は言ってくれた。

早苗『待ってるわ』

と。

俺はすぐ借りた制服をまた着て、目と髪を隠しつつ急いで飛んだんだ。

彼女が俺らに渡してくれた、この家の合鍵。ここに来るって知った時、会わないだろうと思いつつも持ってきていた。

そして、静かに玄関を開け入ったんだ。

早苗「薫君！」

電話越しじゃない、直接聞く声。そして、パタパタとこちらに駆け寄ってきてくれた、俺達の大切な人。

早苗「おかえりなさい」

と抱き締めてくれて、目が熱くなる。

ここは俺達の帰る場所なんだ。帰って来ていい場所なんだ。と改めて実感して。そして、待っててくれる人がいるって思うと、あぁ、俺らはなんて幸せなんだ。こんな世界に来ても、恵まれてるんだって嬉しく思えた。

早苗「あらあら、泣いちゃって」

ふふっといつもの笑顔を見せ涙を拭いてくれた。

早苗「元気そうで良かったわぁ」

Aちゃんは？と聞かれ、元気過ぎるほどですよと答えた。良かった、と安心してくれて、学校生活はどう？怪我してない？と心配してくれていたようで。楽しくやってます、怪我も全然してませんし、頼もしい仲間も出来たんです、と笑顔で答えた。

やっぱり、この人と一緒にいると自然と笑顔になる。心がとても安らぐんだ。

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