episode.6 ページ6
◇貴方side
降谷さんではなくて、その上に退職届を出した。理由には、実家の家族に介護が必要になったからと適当につけておいた。
公安の皆さんにそれが知れ渡った時には、一言言えと怒られたけれど……反対はされなかった。
元気でいろよ、そう言ってくれて。なんて私は、心の優しい仲間達に恵まれたのだろうか。そう思うと目尻が熱くなってしまった。
そして、降谷さんは何か言いたそうだったけれど結局何も言われなかった。何かあったら連絡してくれ、そう言ってくれて。気付かれた?とも思ったけれど……お前にはだいぶ助けられたからな、と。この様子だとたぶん気が付かれてないだろう。
今までありがとうございました、と一言残して去っていったのだった。
よっしゃ、これで何の心配もなく産めるぞ。
そう思った私が馬鹿だった。
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実家には帰らなかった。やんわり説明して、何かあったらいつでも連絡してくるのよとだけ言ってくれて。
そして、私は九州の田舎に移り住んだ。
良さそうな産婦人科も見つけて、元気な男の子を出産。名前を《絢斗》と名付けた。
幸せな家庭を築けると思った。
けど、数ヶ月後。彼が来てしまったのだ。
あぁ、終わった。
そう思った。
そして、冒頭に戻る。
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ゆな(プロフ) - あやたろうさん» とっても嬉しいコメントありがとうございます!喜んでいただけて良かったです! (2022年10月4日 7時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
あやたろう - とても素敵で分かりやすくまとめてあって、一気に読んでしまいました!たのしかったです!! (2022年10月3日 22時) (レス) @page9 id: bb6d3269b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆな | 作成日時:2021年10月1日 14時