episode.5 ページ5
◇貴方side
降谷「昨日、すまなかったな。全然覚えてなくて」
……ん”ん”ん”?????
降谷「Aが送ってくれたとさっき聞いてな。悪かったな」
重くて大変だっただろ、と申し訳なさそうに謝ってきた。けど、運んだあとの事については全く触れてこない。職場だからか?それとも……ほんとに覚えて、ない……?
まっさかぁ、この人犯罪組織に潜入していた人だぞ?酒飲んで記憶飛ばすとかあっていいわけない。けど、疲労がMAXを越えていたであろうから……助かった?
結局、何事もなくいつもと変わらない日常を送っていったのだった。仕事に飲み込まれる日々を、いつものように、そう、いつものように。途中からそんな事を忘れていたかもしれない。
けど、いきなり呼び起こされてしまったのである。
体調が悪くなって、顔が真っ青だぞだとか食欲ないのかとか言われ皆さんに心配されてしまって。吐いていたこともあったけれど、それは隠しまくった。
こんな仕事をしてたらそうなりますよ、と笑っていたけれどそれがだいぶ続いたため上司命令で病院に行けと降谷さんに言われてしまい仕方なく行くことになった。
医者「おめでとうございます、妊娠5週目ですよ」
頭が真っ白になった。
何だって?妊娠だって?
すぐに分かった。あれだ。計算が合う。
どうするどうするどうする。
ただただ、その言葉だけが頭の中を埋めた。
降谷「どうだった」
「……え?あ、あぁ、只の疲れだそうですよ」
いやぁブラックですからね〜とごまかした。きっと彼は何かに気が付いただろう、けど妊娠だなんて思いつかないだろうな。
結局、降谷さんはいそいそと会議に小走りで行ってしまった。あぁ、そういえば潜入捜査の功績で昇進の話が出てるんだったな。
そんな忙しい彼に、言えるわけないだろうが。
「……よし、退職しよう」
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ゆな(プロフ) - あやたろうさん» とっても嬉しいコメントありがとうございます!喜んでいただけて良かったです! (2022年10月4日 7時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
あやたろう - とても素敵で分かりやすくまとめてあって、一気に読んでしまいました!たのしかったです!! (2022年10月3日 22時) (レス) @page9 id: bb6d3269b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆな | 作成日時:2021年10月1日 14時