【呪術廻戦】もう既に獄門彊に人が入ってた件。２

episode.76 ページ26

◇貴方side



呼ばれた会議は、とても退屈なものであった。わざわざ私が呼ばれ、しかもこんな人数の人達が集まる意味があるのだろうか。文書で送ってくれればいい事のように思える。


傑が、私に会う口実だとか何だとかって言ってたけれど……そんなものに意味を持つのだろうか。ただ面倒なだけだ。


耳に入ってきたものを必要かなと思ったものだけ引き止めあとは流す作業を仕方なくこなし、長々とした会議は終わりを告げたのだった。



私の所に送られる多数の視線。それは、恐らく私に話しかけたいといった事から向けられているのだろう。だが、思わぬ事態が起こっていた事に近づけずにいる。


会議に傑が参加した事、そしてあの出迎えてくれた身の程知らずな男の怯えよう。


はっ、根性なしにも程がある。


近くにいた使用人であろう女性に、厠はどこだと聞き二人に一言残しその場を離れた。一人で大丈夫か、そう心配してくれたけれど……これは一人になった方がいいと判断したのだ。





？「英雄さんがこんな所に一人でええんか？」


後ろからかけられた声。男性の声だ。ついさっきまで何とも熱烈な視線を向けてきていた男。


「……誰」


？「あぁ、これは失礼したなぁ。禪院直哉、禪院家次期当主や」


よろしゅうな、と言われたけれど……彼はよろしくしたいと思っているのだろうか。


「何の用だ」


禪院「何や、ただ話がしたかっただけや。江戸時代の英雄って聞いとったんやけど、えらい別嬪さんで驚いてしもてな。

江戸時代からいきなりこんな知らないもんだらけな場所に来てしもて大変やろ。当然知ってる人物も全くおらへんわけや。ここに来てお友達出来たか？心細い君の数少ないお友達に僕も入れてくれると嬉しいんやけど」


よく回る口だな。それに、その顔が一番よく似てる。


「幸運にも、心優しい者達に恵まれて良くしてもらっているから心配しなくていい。それに、友達も十分間に合ってるのでな」


禪院「酷いなぁ、入れてもらいたかったんやけど」


本音は？と聞いてみたら、何や気付いとったんかと張り付けた様な笑顔を一瞬で剥がしたのだ。そんなもの、簡単に見抜ける。騙せると思ったか。


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