【呪術廻戦】もう既に獄門彊に人が入ってた件。２

episode.65 ページ15

□釘崎side



渋谷での事件。


今まで度々ちょっかい出してきてた特級呪霊との闘いで、死傷者が沢山出た。けれど、これに終止符を打った人物が現れた。


それは、封印呪具の中に入っていた江戸時代の英雄らしい。


渋谷に散らばった呪霊共をほぼ全て一人で抹殺したんだから、化物かよと思ったわ。


けれど、そいつはこの惨劇を引き起こした張本人を手駒にした。いろいろと事情があるみたいだけど、はぁ？ふざけんなよ、こいつは犯罪者だぞ。そう思った。


でも、そんなイカレ野郎は私達を助けた。その事実は変わらない。私の知っている呪術師、仲間も怪我だけで済んだし、あと一歩で亡くなっていただろう重傷者も簡単に治してしまった。


私はあの特級呪霊に片目をやられた。そんな私の姿を見て虎杖と伏黒があんな顔をしてきて、だいぶ癪に障ったし腹が立った。けど、アイツが傷一つ残さず完治させてくれたおかげでもうアイツ等はそんな顔をしなくなった。


私は恩を仇で返すクズじゃない、素直に感謝はするわ。


「え、なにこれ小学生かよ」


虎杖「どったの釘崎」


ひらがなばっかのLINEメッセージ、私達の怪我にあそこまで怒り、しかもクラッカー好きでこの時代の甘いものがお気に入りと来た。凄いやつだけど、中身はちゃんとした江戸時代の女の子だ。それだけ見たらお前本当に英雄かよ、と思う。


「……読みづらいわね」


虎杖「何だよそれ、釘崎小学生の友達いたんか」


「大人よ、大人」


伏黒「……は？」


確か、江戸時代だと『あいうえお』じゃなくて『いろはにほへと』だっけ。このスマホのキーボード使いこなすには時間がかかりそうね。そしたら、しばらくはひらがなかしら。


あ、ちゃんとしたメッセージ。どうせ、あの元呪詛師の前髪野郎かあのクズ教師辺りでしょ。ほんと、大丈夫なのかしら。まぁ何かあったら返り討ちにするだろうけど……


明日は、そんな江戸時代生まれの小太郎にいろいろと付き合ってあげる約束をしてる。お節介って？好意って言いなさいよ。この野薔薇様よ？助けて貰った人物に恩を返すのは当たり前。


まぁ、それもあるんだけど……なんか、昔の私みたいだと思ったのよね。だから、沙織ちゃんみたいに小太郎に知らないことぜんっぶ教えてあげるのも悪くないかな、なんてね。


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