すぐに足を治して、この国ごと自分の宝物達を守ってみせるよ。

episode.71 ページ21

◆アルネイスside



愛車であるアウディTTを走らせ廃ビルにたどり着いた。


「………下に5、上に5ってとこか」


銃のセーフティーを外しながら、建物に入り込んだ。









「お仲間…弱すぎるんじゃないか？…………“戸田竜也”」


戸田「やぁ久しぶり、アルネイス」


やはりこいつか。


黒ずくめの組織の幹部になり損なった男。私が入ったことで“アルネイス”のコードネームは私が貰うことになったんだ。


こいつのハッキング能力の高さで念願の幹部入りが舞い降りてきたのに、私のせいで無くなった。さぞ怨んだろう。


「早く、返してくれないか」


戸田「まぁそんなに焦るなよ、久しぶりの再会なんだ」


「お前とは無駄話するほどの仲じゃない」


戸田「酷いなぁ、僕は君のことずっと見てたんだよぉ？“アルネイス”のコードネームを奪われた相手として」


「それが実力だ」


戸田「しかも、公安のNOCであり組織を潰した………居心地が良かった僕の楽園を壊した張本人ｯ」


「それがなんだ」


戸田「僕は知ってるんだよ？君の正体。もうその顔は意味ない。佐藤A」


「……そうだな」


ベリッと音を立てて変装していた顔を剥がし、佐藤Aの姿に。


「やはり、私達の戸籍を見たのはあんただったのね」


戸田「目の前にセキュリティーがあったら、解除したくなっちゃうのがハッカーの性だろ？君でも分かるはずだ」


「………あのホテルの強固なセキュリティー、あれはあんたが仕掛けた罠だったのね」


戸田「あれほどのセキュリティー、解除できるのは君しかいないって思ってね。試させてもらったよ」


やはり、あの時のはあいつの仕業だったのね。


「俊太はどこ？」


戸田「ここだよ」


そう言って後に合図を送ったと思うと、奴の仲間が縄で縛られた俊太を連れてきた。


「貴様ｯ」


戸田「安心して、眠ってるだけだから」


「汚い手で触るな」


戸田「怖いなぁ、そんなに焦るなよ」







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