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「最後の知識だ松野



人生80年とは言うけど昔は人生50年だしこれからは人生100年になる

そんな中で生きているのが苦しくなったらこう考えろ



年を円になおすんだ

例えば地球が誕生して46億円
恐竜が誕生して2億円
滅んだのは6500万円だ



そう考えてみろ

僕達の人生はたったの80円

その時間、その日は、1円もかからないんだ



ほら、たった1円もない時間に苦労を費やすなんてちっぽけだろ



死ぬのもそうだ

人はそれを恐れてる

1円も価値がないその瞬間に恐れてもただの心が弱い人間だ



松野、お前は今14円の中だ
お前はまだ14年しか生きてない

僕も14年しか生きてないけどさ、
金稼げよ



80円じゃダメだぞ、お前は100円ぐらい余裕なはずだ

生きろよ」



「うん、うんぅ…」

松野は下を向きながら頷き続けた




「生まれ変わったら僕も100円くらい稼いでやる
生きてやる

野球してやる、よ」


まぶたがだんだん重くなる

光が眩しい


「は、笑えよ、松野」

「うん…っ」


松野はその光の中できらきらと輝いた


「松野、約束だ

僕が生まれ変わったら、必ず野球…教えてくれ、よ…
ポジション、はピッチャーだ

松野はバッターで…」




松野は下を向いて、僕の服を握った

「笑えよ、松野」

「…うん…っ」




きっと松野の目には刻刻と過ぎていく僕の寿命が見えているんだろう

涙目をこすり、夕日に輝いているその顔を僕は見た



「今度は、草野球…じゃなくて…

ちゃんとした、チームをつくって、
っ…グラウンドに…」



もう手を動かすこともできなかった

松野の手から伝わってくる温度だけが暖かかった



トクン

トクン

やっと止まってくれるんだな

ここで、止まっても嬉しくないけどな









「松野…白い光、見えた…
見えたよ」









人工呼吸器の中ではなった言葉はそれで最後だった

僕の目には白い光と松野の泣き笑い顔が映った

笑ってくれてありがとう

14回目だな、僕の前で泣いたの





ピーッ



ピーッ

と、正しい機械音がなり

そして僕の命は尽きるのだった

epilogue→←h o n e s t y



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o2闇松 - 泣けました!とても良い話でした。グスッ感動。 (2016年2月26日 19時) (レス) id: b5d90bf0f7 (このIDを非表示/違反報告)
▼鳴乃少年はバケツをかぶった(プロフ) - ココさん» うわー!!!!なんかあざーす!!!! (2016年2月1日 6時) (レス) id: ddb8517db1 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - うわーーーーーー!涙が止まんねーーー!感動した! (2016年1月31日 22時) (レス) id: 460fe7d851 (このIDを非表示/違反報告)
▼鳴乃少年はバケツをかぶった(プロフ) - 抹茶さん» な、泣かないでください(´;ω;`)ウッおおおおおあありがとうございますううう (2016年1月16日 14時) (レス) id: ddb8517db1 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - ヤバイ泣きますってか泣いた…良い話でした!十四松がぁぁあああぁぁぁ((ry次回の作品も楽しみにしています! (2016年1月15日 14時) (レス) id: e7d090236a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳴乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/a78fee6a561/  
作成日時:2016年1月3日 19時

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