【おそ松さん】十四松が十四回目に泣いた日

l i f e s p a n ページ7

｢はぁ…っは…｣






体が重い

重すぎる



左半身の麻痺は少しずつだが治っていってるのに

お腹の痛みが止まらない





｢くっそ｣






野球

ほんとにできないな

左側の机にあるボールを手に取る

｢あと、１日か｣



父さんがここにいたら縁起でもないことを言うなって叩かれるだろうな

そういえば父さん、昨日来た時泣いてたな

母さんも泣いてた

兄貴は下向いてた





人が死ぬってなると、みんな気が変わるんだな

笑えてくる

この世の中死ぬことが当たり前だ



たった80年の人生だ

とはいっても、僕はまだ20歳にもなってないがな

短かったな



もっと六つ子と話したかったな

松野と野球やりたかった

ああ、あと高校に入って体育科に入ってそのまま就職して









くっそ

｢もっと生きたかった｣




死ぬことは怖くない

だからこそ生きることも簡単に思えてくる




そうくると、これまでの人生はちっぽけなものだ

ちっぽけなのに

なんでだろう

後悔しかない







僕はボールを置くと、そのまま深い眠りについた

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