霞の継子は人から鬼へ

拾肆話 ページ16

Aside

私が帰ってきて１週間たった頃に


鍛「君が夜道Aかい？」


『はい、そうですけど…』


鍛「君の日輪刀を持ってきた」


『…っ…』


やっと、自分の日輪刀がっ…


無一郎くんに知らせると


時「A、刀を握ってご覧」


『うん！』


私が刀を握るとなんの変哲もなかった刀が


黒から白の綺麗なグラデーションを描いた刀に


変化していった…


『黒と白？無一郎くんみたいな色じゃない…』


時「そういえば、Aが持ってた短刀もこれと同じ色じゃなかった？」


『そうだっけ？』


鍛「この色は…もしや君、夜柱の夜道家の者か！？」


『は、はい！』


鍛「そうか、やっと姿を現してくれたか…」


『え？』


鍛「私の一家は初代の頃から夜柱様達の日輪刀の担当をしてきた家系だ。」


『そんな長く？』


鍛「あぁ、しかし陸代目は姿を晦まし、そこで途絶えそうになった。」


時「途絶えそう？途絶えてはいないの？」


鍛「あぁ、我々は夜柱様が戻ってくることを信じて夜柱様のためだけに刀を作ってきた。たとえ、使われなくとも。」


『私の祖先が、大変失礼なことを…』


鍛「いや、全然失礼ではない。むしろ、陸代目様が手紙を送ってこられたのだ。」


『陸代目が？なんと？』


鍛「陸代目の夜柱様が任務に行かれている最中に、家族は鬼に襲われたんだ。そこで生き残ったのは長男のみ。だから、陸代目様は息子を危険な目に合わせたくなかったから姿を晦ませたのだ。もちろん、これからの子孫も危険な目に合わせないように。」


『…っ…』


鍛「しかし、続きにこう書いてあったのだ。何代目かになるかわからんが、必ず夜道家は夜柱に戻る時が来ると。その時まで夜柱を支えて欲しいと。」


鍛「それが君だ。夜道A…夜道家を夜柱をよろしく頼む。」


『はい…必ず！』


私は改めて剣士になる決心がついた。

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