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「ふーん、そんなホテルがこっちに味方するわけないね」
着替えたカルマが私の頭に肘を乗っけながらそう言う。
ついさっき、私に「行かせないから」と抑揚もなく吐き捨ててからずっと不服そうな表情を浮かべている。
「どーすんすか！？このままじゃいっぱい死んじまう！！」
焦って烏間先生に詰め寄る吉田。
殺されるためにここに来たんじゃないと嘆いている。
「落ち着いて吉田くん、そんな簡単に死なない死なない。じっくり対策考えてよ」
「お、おお……悪ぃな原」
『原さん…』
私たちを安心させるように柔らかく笑う原さんにきゅうっと心臓が締め付けられる。
辛いはずなのに、苦しいはずなのに。
『…そもそも対策も何も無いでしょ、私が行く』
「お前が行って何ができんの」
すかさず返してきたのはカルマ。
じろりと不機嫌そうに私を見下ろすとポケットに手を突っ込んだ。
『そう要求されたの、あんたも聞いてたでしょ。言う通りにして薬受け取って帰ってくる。黙って殺せんせーを渡すのは、ちょっと気に食わないとこも…あるけど』
「はぁ？こんなに周到に作戦練って来てるようなやつにそれが通用すると思ってんの？」
『でもそれ以外に打つ手無いじゃん…！！』
「だからその通りにしたところで薬を渡してもらえるとは限らないっつってんの！」
『じゃあどうしろって言うの！？』
ヒートアップして来たところで磯貝くんが「お前ら落ち着けよ…！」と割って入る。
きゅ、と口を噤んでそっぽ向いた私に、カルマはため息を吐いて柱に寄りかかった。
「カルマの言う通りだ」
『…寺坂』
「言うこと聞くのも危険すぎんぜ」
ひょいっと顔を出したのは寺坂。
「このチビ共で来いだぁ？このちんちくりん共だぞ！人質増やすようなもんだろ！」
寺坂はそう言いながら私と渚の頭をドスドスと殴る。
前原よりは優しいものの頭を叩かれて良い気がする人は居ないだろう。ぎゅむ、と強く寺坂の足を踏みつけてやる。
「ってえ！！！！」
『フン』
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