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私たちの暗殺は、結局失敗に終わった。
殺せんせーの話によると、24時間は動けない代わりに覆っている透明な部分は高密度に凝縮されたエネルギーの決勝のためどんな攻撃も効かないらしい。
…私たちの知らなかった殺せんせーの隠し技。完敗だ。
「チッ…何が無敵だよ。何とかすりゃ壊せんだろこんなモン」
「ヌルフフフ、無駄ですねぇ。核爆弾でも傷ひとつつきませんよ」
球体の殺せんせーを拾い上げた寺坂がスパナでガンガンと叩くけれど殺せんせーの言う通りに傷1つ付かない。
『なにそれずるい！チートじゃんか！もうゴミと一緒に捨てておこう！』
文句を垂れる私の方へとやって来たカルマは、スマホを出せと言う。水の中に入っていたカルマのスマホは預かっていたから。
「そっか〜、弱点無いんじゃ打つ手ないね」
『なに淡々としてんだお前』
カルマはスマホ軽く操作し、画面を殺せんせーに見せる。
「にゅやーッ！！」
カルマが見せたのは殺せんせーが如何わしい本を拾い読みしている写真だ。
「やめてーッ！手が無いから顔も覆えないんです！」
「ごめんごめん、じゃ、至近距離で固定してと…」
「全く聞いてない！」
なんとも楽しそうに殺せんせーにウミウシをひっつけるカルマ。それに対して情けなく叫ぶ殺せんせー。
『弱点あるじゃんか』
「あと誰か不潔なおっさん見つけて来てー！これパンツの中にねじ込むから」
『寺坂で我慢しとけよ』
助けてと叫んでいる殺せんせーの硬い殻をツンツンとつついて寺坂の方を見れば「あんだよ」と呆れた目で見られた。
「…とりあえず解散だみんな。上層部とこいつの処分法を検討する」
カルマの手からぱっと殺せんせーを取った烏間先生はビニール袋に入れる。
「ヌルフフ…対先生物質のプールの中にでも封じ込めますか？」
余裕そうに話す殺せんせーは、その手は無駄だと話す。その場合はエネルギーの一部を爆散させてさっきのように爆風で周囲を吹き飛ばしちゃうとか。
『もう打つ手なしってこと…？』
あまりの殺せんせーの対策に、一気に失敗したという実感が湧いて落胆してしまう。
「ですが、皆さんは誇って良い。世界中の軍隊でも先生をここまで追い込めなかった。ひとえに皆さんの計画の素晴らしさです」
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