【赤羽業】ウザさ９９％ Part４ (ページ35)

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「もうお前はそこから一歩も動かさねえぞ」

今まで私たちが鉢合わせた2人の殺し屋とは違って、こいつは軍人上がりらしい。一対多戦闘の経験は何度も重ねているとか。

そう話す男に、みんなに緊張が走った。

「さあて、お前らが奪った銃はあと一丁あるはずだが…」

銃を舐めながらそう言った殺し屋。

「速水さんはそのまま待機！！今撃たなかったのは懸命です、千葉くん！君はまだ敵に位置を知られてない！先生が敵を見ながら指揮するので、ここぞという時まで待つんです！」

「な、なに！？どこから喋って…」

もちろん殺せんせーの指示の声だ。
様子から察するに、殺し屋は先生の存在に気がついていない。はっは、盲点とはこういうことである。

「テメー！なにかぶりつきで見てやがんだ！」

あ、気づいた。

何発も銃を撃つけれど、もちろん殺せんせーに実弾は効かない。

「ヌルフフフ無駄ですねぇ、これこそ無敵形態の本領発揮！熟練の銃手に中学生が挑むんです！このくらいの視覚ハンデはいいでしょう」

「……チッ、その状態でどう指揮を取るつもりだ」

弾を入れ替えながら、そう吐き捨てた殺し屋。
殺せんせーは躊躇いもなく「では木村君、5列左へダッシュ！！」と指示を始めた。

ここからは、殺し屋にとって地獄のシャッフルが始まる。

「寺坂くんと吉田くんはそれぞれ左右に3列！」

「なっ…」

その言葉に動いた2人。ステージ上からそれが見えた殺し屋は戸惑うように視線を動かした。

「死角ができた！この隙に茅野さんは2列前進！！」

名前を呼ばれ、みんなはそれぞれ姿勢を低くして素早く座席の間を動く。

「カルマくんと不破さん同時に右8！磯貝君左に5！」

でもあの男なら名前と位置を覚えられてしまうのでは…と眉をひそめた時だった。

ここまで動いたところで、殺せんせーの指示の仕方が変わる。

「出席番号12番！右1で準備しつつそのまま待機！」

「へ？」

殺し屋の間抜けな声。なんかこっちが緊張解けてきた。いや、緊張感ないってみんなに怒られそうだから真剣にやるけどさ。