【赤羽業】ウザさ９９％ Part４ (ページ19)

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１６５．カルマの時間ページ19

そしてやって来た5階。今のところ、さっきのガスのおっさん以来殺し屋らしき人物とは出会っていない。

私たちが歩いているのは展望回廊だ。

『めっちゃ綺麗じゃん！海見える！』

「A、緊張感」

『すいません』

こちらを振り返って注意を促すメグに私は口を閉じる。

『ぶっ』

黙ろう、と口を閉じて歩いていたのに、前方の人がいきなり止まったせいでカルマの背中に顔面強打。

鼻を押さえながら前を覗き込む。

「お、おいおい…めちゃくちゃ堂々と立ってやがる」

「…あの雰囲気」

「ああ。いい加減見分けがつくようになったわ。どう見ても……“殺る”側の人間だ」

『こわ』

みんなの言う通り、雰囲気がもう他の人とは違った。立っているだけなのに。

そんなことを思いながら見ていると、おっさんの背後の窓にビシッと音を当ててヒビが入った。

もちろんみんなぎょっとする。

『ひえっ、イカれてやがる…』

窓にヒビなんか入れたら手も痛そうだし弁償だし最悪だろ。

1人でそんなことを考えていると、ふと前にいたカルマに頬を鷲掴みにされる。

『エッ？』

なんなの？！痛い！！痛いよ！！女子にすることじゃないだろ！なんてことをするんだ！！

もちろん大きな声を出したらあいつに聞こえるため、声は出さない。

「足音を聞く限り…“手強い”と思える者が1人もおらぬ。精鋭部隊出身の引率の教師もいるはずなのぬ…だ」

…んん？
今この人なんつった？

「どうやら…スモッグのガスにやられたようだぬ。半ば相打ちぬと言ったところか、出てこい」

あのおっさん、スモッグっていうのか。
もう隠れる必要のない私たちは言う通りにおっさんの前に姿を現す。

「(な…手で窓にヒビ入れたぞ)」

「(そ、それより…)」

「(怖くて誰も言えないけど…)」

「(なんか、その…)」

「『“ぬ”多くね/ない？おじさん』」

「「「(言った！！良かった2人がいて！)」」」

さっき私の頬を鷲掴みにしたカルマは余計なことを言うなって意味だったんだろうけど、つい気になって口にしてしまった。

『なんか気になってしょうがない。語尾のぬが不自然すぎる。おっさん、外国の人？』