１６４． ページ18
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「…ダメだ。普通に歩くフリをするので精一杯だ」
『むしろ象も気絶するようなガス浴びて歩ける方が化け物ですよ』
おっさんが起きても動けないようにガムテでぐるぐる巻きにし、中広間の端に放置。上にテーブルを置いてね。私はそーっとそのテーブルの上に壺を置きながら烏間先生の言葉に応える。
近くにいた寺坂に「これ起き上がった時にテーブルに頭ぶつけたら壺割れちゃうかな？」なんて尋ねたらどうでもいいだろうと雑に返された。
中広間を出たところではっと気がつく。
『え！もうビッチ先生も烏間先生も頼れないじゃん！殺せんせーそんな姿だし私たちの力で行くってこと！？！？』
「気づくの遅いよ、A…」
そばに居た桃花ちゃんが苦笑を浮かべる。あっ、だからみんなさっきより不安げな感じだったのね。そうなのね。
え、でもまじでやばくない？
さっきのおっさんは烏間先生がなんとか倒してくれたけど、この先またプロの殺し屋がやってきたら私たち死ぬんじゃね？え？
「いやぁ、いよいよ“夏休み”って感じですねぇ」
そんな場違いなことを言ったのは、他でもなく殺せんせーだ。渚の持っている。
一瞬沈黙が走り、次の瞬間にはブーイングが飛び交っていた。
「何をお気楽な！」
「1人だけ絶対安全な形態のくせに！！」
「『渚！振り回して酔わせろ/て！！』」
私たちの言葉にブンブン振り回す渚。
殺せんせーの絶叫が聞こえる。あっはは！！いい気味！！！！
…と、そこでカルマが渚の手首を掴んで止めた。
「よし寺坂、これねじ込むからパンツ下ろしてケツ開いて」
「死ぬわ！」
最初から寺坂でよかったんじゃん。
酔ってぐったりとしている殺せんせーを自分の目線まで持っていった渚は、何でこれが夏休みなのかと尋ねた。
「先生と生徒は慣れ合いではありません。そして夏休みとは先生の保護が及ばないところで自立性を養う場でもあります」
授業のときのような口調で殺せんせーは話す。
「大丈夫、普段の体育で学んだことをしっかりやれば…そうそう恐れる敵はいない。君たちならクリアできます。この暗殺夏休みを」
『ま、なんとかなるよね！We Can do it！！』
「そうそう、その意気ですよ、Aさん」
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