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『うーわ……高いね』
私たちが見上げているのは山頂のホテルに繋がる崖。
殺せんせーの考えた手段はこう。
患者10人と看病に残した2人を除き、動ける生徒全員でここから侵入して最上階を奇襲して治療薬を奪い取る。
しかし、殺せんせーの説明を聞いた烏間先生は「危険すぎる」と顔を顰めた。
「この手慣れた脅迫の手口…敵は明らかにプロの者だぞ」
「ええ、しかも私は君たちの安全を守れない。大人しく私を渡したほうが得策かもしれません」
ほげ〜、と崖を見上げながら私は考える。
スパイみたいで楽しそうじゃん…！！！！！不謹慎だけどな！だから口には出さない！！
「どうしますか？全ては君たちと…指揮官の烏間先生次第です」
「……それはちょっと………難しいだろ…」
行けるよ、と私が口を開くよりも先に、ビッチ先生が「そーよ、無理に決まってるわ！」と崖を指差した。
「第一この崖よ！この崖！！ホテルにたどり着く前に転落死よ！」
烏間先生は少し迷った顔を浮かべ、ゆっくりと振り返った。
「渚くん、Aさん、すまないが───…」
「いやまぁ、崖だけなら楽勝だけどさ」
もちろん烏間先生の振り返った先に私たちは居ない。むしろこの崖、訓練にうってつけだ。
ひょいひょいと昇る私たちに、ビッチ先生が目を見開いているのが見えた。
「でも、未知のホテルで未知の敵と戦う訓練はしてないから…烏間先生。難しいけどしっかり指揮頼みますよ」
『よっ、委員長かっこいい！！』
「うるさいA」
ピシャリとカルマに言われ、むっと頬を膨らませる。そんな私を見た彼は「可愛くないよ」と冷たく吐き捨てた。
さっきからずっとイライラしやがって！！！クソ！！
ガシガシと怒りに任せて崖を登っていると、下から「注目！！」という烏間先生の声が聞こえて手足が止まる。
「目標山頂ホテル最上階！隠密潜入から奇襲への連続ミッション！！ハンドサインや連携については訓練のものをそのまま使う！」
烏間先生の言葉にコクリと頷く。まるで…精鋭部隊みたいだ。
「いつもと違うのは
「「『おう！！！』」」
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