5日目 ページ7
「そう言えば、いつかチャールズがそんなこと愚痴ってたことがあったかも……」
「はははっ、まあ常人が見たら卒倒するような金額だろうな」
彼は笑いながらキノコと鶏肉の串焼きを頬張る
「だがそれでもワイナリーが高品質なブランドを保てているのは、紛れもなくあの兄弟の実力さ
何せ、ディルックの経営術は全てA嬢から教わったものだからな」
「はははっ」と愉快そうに笑いながら話すガイアにパイモンが尋ねる
「てことは、Aはジンにいっぱいお金を払ってるからジンも頭が上がらないってことか?」
「ははっ、まあそう言うことになるんだろうが…
ジンの場合…いや、モンド市民のほとんどはA嬢のことをちゃんと人として慕ってるぜ?」
「何せ、影ではモンドを救ってくれた救世主と言われてるほどだからな」と楽しそうに笑う彼、どうやら今日は随分と上機嫌らしい
「兄弟揃って英雄と救世主って……」
「まぁモンド市民のネーミングセンスより、彼女がやったことの方が大切だったんだろうな」
パイモンの意見には同意するが、Aがモンド市民にとっての恩人であることには変わりないわけだ
「ラグヴィンド家の前当主は……まぁ、不慮の事故で亡くなってな」
「そんな……」
「あまりに突然のことだったから、ラグヴィンド家の経営も大きく傾いたんだ
何せ幼い兄弟を残して当主が亡くなったんだからな」
賑やかなモンドの酔っぱらいの声と吟遊詩人の歌が聞こえる
「さっきも言ったが、モンドの経営のほとんどはラグヴィンド家から出ている
騎士団にとってもいわば財源…そんな家柄が潰れそうになったところを立て直したのがA嬢だ」
「おぉ!!」
語りのうまいガイアに続きが気になるときらりと目を輝かせたパイモンの口についたソースを拭ってやる
「三ヶ月、三ヶ月で彼女は家の経営を全て一人で立て直し、当時はまだ金銭的に余裕のない騎士団に酒税以外にも多大な寄付をした」
「さ…三ヶ月!?一人でか!?」
「もちろん、従業員の助けもあっただろうが、主な仕事はきっと彼女一人だろうな」
驚きを隠せないように空とパイモンは目を見開き、ガイアはフッと静かに笑った
「でも…なんでガイアがそんなこと知ってるんだ?」
「なぁに、ただの噂も探っていけば根元に辿り着く、俺の特技はお前達が一番よくわかってるだろう?」
そう言って彼はまた美味しそうに残っていた酒を飲み干した
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????**(プロフ) - 初めまして!設定も考察もすごく私好みで読んでいてとても楽しかったです!姉に甘々な弟達かわいいです♡忙しいとは思いますが更新楽しみにしています! (9月20日 4時) (レス) id: 64f0606ce3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっか | 作成日時:2022年2月26日 13時