15日目 ページ18
「これはあくまで神話、噂話さ
信じるかどうかは君の自由だけどそれでもいい?」
「もちろん、聞いたのは私だからね」
彼女はしっかりと彼の翡翠の目を見てそう言った
「仙霊....あれはかつては偉大な民族だったものだよ。
今ではあのような姿になってしまったけど、僕にしてみれば彼らだってちゃんと意志を持ってる生き物さ」
「意志を....持ってるの?」
「もちろん、僕が知ってる限り、彼らの中には神になった仙霊だっているんだ。」
「神....」
なにか考えるように顎に手をおいたAに話し続ける
「僕が知ってるのはこれくらいだけど、お役に立てたかな?」
「うん、十分よ。ありがとう」
そういって目尻をさげて笑う彼女は誰がどう見ても美しいと感じるだろう
「それは良かった!」
「話してくれたお礼に、そのお代はいいわ」
そういってAが指さしたのは彼の手の中のグラス
「え!?本当かい!?」
「ささやかなお礼としてね」
「やったー!!」
子供のようにはしゃぐ詩人はさながらおもちゃを買ってもらった幼子のようであり、弟を思い出したAはまた懐かしそうにくすくすと笑った
ーー僕は君を傷つけたくないよ
あの声は、仙霊のものだろう
傷つけたのはAの方なのに、どうして彼は私たちを守ってくれたのか、どうしてあのような優しい言葉を最後かけてくれたのか
Aはそれが知りたかった
のちのちアルベドに聞いたところによると
あの日、彼が私たちを見つけた時、私たち三人が倒れていた場所を囲むように赤い炎が燃えていたらしい
だが彼がその炎に触れても暑くはなく暖かい温度だったと言っていた
それはきっとあの仙霊の最後の力なのだろう
楽しそうに騒ぐモンドの民たちを見ながら、Aは次するべきことについて思いを巡らせていた
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????**(プロフ) - 初めまして!設定も考察もすごく私好みで読んでいてとても楽しかったです!姉に甘々な弟達かわいいです♡忙しいとは思いますが更新楽しみにしています! (9月20日 4時) (レス) id: 64f0606ce3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっか | 作成日時:2022年2月26日 13時