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猫について行くと、塀の横の木や草がが生えているところについた。
猫はしげみの中をゆっくり歩く。
私もうまく通れるところを見つけて猫についていく。
そして猫は塀の突き当たりにつくと、猫一匹分くわらいの小さい穴が空いているところからゆっくり出て行った。
この穴から出入りしてたんだ…
「お、猫だ!」
塀の外から声が聞こえる。
男の子の声みたいだ。
「ニャー」
「この学校で飼ってる猫なのかな」
一声一声発されるごとに胸がドキドキする。
家にいるお手伝いさんとか父とか父の知り合いの息子さんとか、
パーティーとかでの家の中でしか異性とはまともに会ったことないし、
なんてたって2人きりなんてあるわけがないし、この塀の向こう…すぐそこに男の人がいるなんて。
なんだかなんとも言えない気持ちになって後ずさりしようとした。
その時__________
足元に何かが落ちていたみたいでツルッと転んでしまった。
「きゃっ!………った…」
「…あの…大丈夫ですか…」
塀の外の男の子が声をかけてくる。
「えっ…あ…はい、大丈夫です!」
急に声をかけられて少し焦りながら、
パッとスカートを叩いて立ち上がる。
「この猫、君の?」
「…いいえ、違います」
「そうなんだ〜、っていうかここ男女関係厳しいらしいけど話てて大丈夫?」
「あ…ダメです…ね。教室戻ります」
「待って!名前教えてよ」
「え…?」
「怪しいものじゃないから!ただここ通ってる人と初めて話したから気になって。」
「…あなたは?」
「青葉城西高校3年、バレー部の及川徹。君は?」
「2年生の藤堂、Aです。」
「Aちゃん…また明日もこの時間ここに来れる?」
そう聞かれて、言葉が詰まった。
バレたらまずいし、はい!とは言いにくいけど、いいえとも言いたくない。
なんだか、猫を触っていた彼の声がとても優しくてすごくいい人な気がして、気になってしまっている事実があるのだ。
もやもや悩んでいると察してくれたのか、
「また話がしてみたいんだ。Aちゃんはもうしたくない?」
「…したい!…です。」
「じゃあ、明日この時間に。約束!ゆびきり!」
そういうと彼は穴から手を出した。
そして、ゆびきりの形にする。
わたしも恐る恐る小指を絡ませてみる。
「…ゆーびきった!Aちゃん、忘れないでね!」
そう言って彼はまた明日と言いながら帰って行ってしまった。
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らいな☆ - みなみさん» URL貼りますね。 http://uranai.nosv.org/u.php/novel/iosk/ (2017年6月23日 23時) (レス) id: b22cd0d600 (このIDを非表示/違反報告)
らいな☆ - もう、飽きた という、作品です! (2017年6月23日 23時) (レス) id: b22cd0d600 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - らいな☆さん» ちなみになんていう作品で宣伝なさってるんですか? (2017年6月23日 23時) (レス) id: 8758985138 (このIDを非表示/違反報告)
らいな☆ - みなみさん» ありがとうございます!!早速してきますね!! (2017年6月23日 23時) (レス) id: b22cd0d600 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - らいな☆さん» ぜひお願いします〜〜! (2017年6月23日 23時) (レス) id: 8758985138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2017年5月7日 1時